【東大生がやっていた】長文読解のための英単語暗記術

地方高校生に、追い風を

英語暗記術アイキャッチ

はじめに

「英語の長文が読めるようになりたいけれど、対策法がわからない……」

そんな皆さんに朗報です。英語長文の読解は、伸ばすのに時間はかかりますが、対策の仕方さえわかれば強みになります!

英語の長文が読めない理由は主に3つ挙げられます。

1.英単語や英熟語を覚えていない
2.構文がわかっていない
3.英語の長文を読むだけの体力がついていない

1と2は基礎になるので、しっかり身につけましょう!その上でたくさん長文を読む練習をすれば、3の体力も自ずと身についてくるはずです。

この記事では、1の「英単語や英熟語を覚えていない」という点にフォーカスして、英単語や英熟語の覚え方と、陥りがちな罠について説明します。

英単語の覚え方

一度にたくさん進め、すでにやった単語も復習する

英単語暗記で大切なのは、復習をすることと、一度にたくさんの言葉に触れることです。

人間はすぐに忘れてしまう生き物です。しかし、あまり間を空けずに復習すれば、短期記憶として脳に保存されていた英単語が長期記憶へと変わり、しっかりと覚えられるようになります。

たとえば、20語を復習し、さらに新しく20語を覚えるなど、1日につきたくさんの英単語に触れると効果的です。​​1週間のうち5日はこのサイクルを回し、残りの2日で復習や、できなかった日の埋め合わせに充てると良いでしょう。こうすれば、1週間に100語の単語を覚えられます!

また、1日後、3日後、1週間後など、あまり間をおかず短い期間に何度も復習することもポイントです。

復習する際に間が空いてしまうと、また最初から覚えなければならなくなります。

1日につきたくさんの言葉に触れ、何度も復習する方が、1つの単語に時間をかけるよりも、学習が早く進み、定着度も上がります。

今の例を聞いて、大変そうだと圧倒されてしまった人たちもいるかもしれませんが、人の記憶力は素晴らしいもので、やろうと思えば意外となんとかなります。

高校生の頃、私は毎週100語の英単語を覚え、その小テストを受けていました。私はあまり記憶力には自信がない方だったので大変でしたが、それでもしっかり勉強すると良い点数が取れました。

英単語は、記憶力に自信がなくても、時間をかけてしっかり復習すれば覚えられるので、ここでライバルと差をつけましょう!

隙間時間を活用する

私の場合は、通学時間や学校の休み時間、勉強を始める前、寝る前などにやっていました。

隙間時間に少しずつ学習を進めると、無理なく1日のノルマを達成できるので、可能な範囲で隙間時間を活用すると良いでしょう。

特に長期休暇中は、勉強前に英単語帳を開き、しっかり手を動かしたり声に出してみたりするのをルーティンにしていました。

というのも、単語を書くことで集中力が上がるほか、勉強に対する心のハードルを下げることができるからです。

その結果、英単語の暗記が捗るだけでなく、他の勉強にもすんなりと取り組めました。

 五感を使って、インプットとアウトプットをする

大学入試の長文問題では、単語の意味を直接聞かれることはほぼありません。

和訳や要約など、間接的に単語の知識が問われる問題がほとんどです。

そのため、単語を覚える際は、まず、単語帳を開き、意味をさらうインプットを行い、その後、その意味が言えるか、ちゃんと書けるか、ちゃんと発音できるか、すなわちちゃんと覚えているかを確かめるアウトプットを行うことが大切です。

ここで、英単語は長文読解だけではなく、色々なところで必要になってくることも意識できると良いでしょう。

たとえば、リスニング対策のためには、耳を使って音を覚えてから口で発音する、ライティング対策のためには、手を動かして正しく綴れるかを確認することが大切です。

このように、英単語を覚える時は、英単語を覚える目的を意識して、五感をフルに使いましょう。

その他の覚え方

これまで紹介した方法でもなかなか覚えられない人のために、様々な覚え方を紹介します。合うかどうかは人それぞれなので、参考程度に読んでください。

まず、文で覚えるという方法です。

文章の意味ごと覚えてしまえば、たくさんの意味がある単語でも、混乱することなく覚えることができます。

2つ目は、アプリを使って勉強する方法です。

私が使っていたのは無料のアプリでしたが、たくさんのクイズや音源が入っており、重宝しました。

さらに、これは英単語に限りませんが、語呂合わせやイメージを作って覚えていました。

例えば、associateという単語には「仲良くする」という意味と「関連づけて考える」という意味があるので、人が仲良くしているイメージ(図の右側)と、人が頭の中で何かと何かが結びつけているイメージ(図の左側)を描いていました。

また、長文問題に対応できるよう、普段の学習でわからないと思った言葉は辞書で引き、語法なども全て確かめた上で、新しい発見があればメモしておくのがおすすめです。

  語法も覚えよう

 「英単語を覚えたはずなのに、なぜか意味を正しく取れない」という人は、イディオムや語法の暗記がおろそかになっているかもしれません。

語法やイディオムが頭に入っていないと、額面通りに言葉を受け取って、読解を誤ってしまうことがあります。

それで「英単語ができない」と勘違いしていたら、とてももったいないですよね。

また、東大をはじめ、大学の二次試験では、語法やイディオムが聞かれることも多いため、これらを押さえておくことで、確実な得点を目指すことができます。

必要に応じて、単語帳とは別で参考書を用意し、しっかりと対策しましょう。

どこまで覚えればいいのか考えよう

長文読解からは逸れた話になりますが、単語についてどこまで習熟していればいいかということを意識しましょう。

ライティングにも使う単語は、その単語の意味が自然と出てくるまでしっかり覚える必要があります。

しかし、長文読解にしか使わない単語であれば、意味と大体のつづりさえ覚えておけば問題はありません。

全ての単語を完璧に覚えようとすると大変なので、このように、どんな問題で使うのかといった目的意識を持って効率的に覚えていくことも大切です。

暗記していて陥りがちな罠

単語帳や熟語集を複数使う

なかなか覚えられないことに対して危機感を覚え、複数の参考書に手を出しがちな人、いませんか?

私も、苦手な物理・化学の参考書を買い漁っていたので、気持ちはわかりますが、単語帳と熟語集は、1冊ずつにするのがおすすめです。

というのも、大学入試までの限られた期間で、複数の単語帳や熟語集を全てマスターするのは難しいからです。

学校で配られた単語集が受験には不十分である場合には、まずは学校で配られたものを完璧にしてから、色々な意味が載っている難しいものにステップアップするなど、2つ以上のものを同時並行でやるということがないようにしましょう。

また、長文では、全体の8割の単語が分かれば読解に支障はないと言われています。

そのため、単語をある程度覚えたら、レベルの高い単語を覚えるよりも、読解力を上げる勉強を優先した方が良いでしょう。

 1つの単語につき1つの意味しか覚えていない

1つの単語につき1つの意味しか覚えていないというのは、とても危険です。

たとえば、subjectという単語には、「臣民、被験者、主題、話題、科目、題材」など、たくさんの意味があります。

さらに、subject toという熟語の形で出題され、​​「支配下に置かれる、承認を必要とする、〜次第である」などの意味が問われることもあります。

このように、正しい長文読解を行うためには、これらの意味を全て覚え、その中から文章に合うものを探す必要があります。

​​たくさんの意味があって大変ですが、単語の語感を想像するなど、工夫しながら覚えましょう。

時々しか勉強しない

英単語の勉強を習慣化することで、単語帳を覚えるために必要なエネルギーが少なくて済むようになります。

この式を見てください。

英単語の勉強1回につき必要とされるエネルギー
=「勉強をしたくない」という心のハードルを越えるためのエネルギー
+時間を作るために他の時間を削るエネルギー
+英単語を覚えるために脳みそを動かすエネルギー

習慣化することで英単語の暗記に必要なエネルギーは小さくできる

勉強に対する心理的なハードルを越えるためのエネルギーや、時間を作るためのエネルギーは、習慣化によって最小化できます。

そして、英単語暗記に取り掛かるのに必要なエネルギーが少なくて済むようになります。

また、心の準備や時間を作るために必要だったエネルギーを、単語を覚えるためのエネルギーに使うことができます。

忙しい日は復習を少しするだけで良いので、10分休憩やバスの待ち時間などを利用して、単語に毎日触れましょう。

おすすめの参考書・アプリ

参考までに、私が使っていた単語帳などを紹介します。

高2のときは、学校で配布された『ターゲット1900』(旺文社)を使っていました。

主な意味が赤字で書かれており、どの意味を優先的に覚えれば良いのかがわかりやすいので、おすすめです。

さらに、先にも少し触れましたが、ターゲットのシリーズ専用の、無料でダウンロードできる「ターゲットの友」というアプリも使っていました。

アプリ内課金があり、途中から課金しましたが、別に課金しなくても、音声が手軽に聞けたりクイズがついていたりと、十分使い勝手は良いです。

また、課金もそこまでお金がかかるわけではありません。

高3からは、鉄緑会英語科『鉄壁』(KADOKAWA)を使っていました。色々な意味が載っているので便利です。

さらに、1つ1つの単語にシュールな挿絵が乗せられており、その単語が持つニュアンスが一目でわかります。

語法やイディオムは、篠田重晃・米山達郎『Vintage』(いいずな書店)で覚えました。個人的にはこれで十分足りていたと思います。

おわりに

模試や2次試験の日、「参考書をしまってください」のアナウンスまで単語帳にかじりつくと、その単語が出ることもあり得ます。

また、緊張しているときは、問題を解くなどの勉強をするのは難しいと思いますが、単語帳は開いているだけで目に残ることもあるので、テスト直前の休憩に単語帳を読むと良いでしょう。

単語帳のあまりの分厚さに心が挫けそうになることもあるかもしれません。少なくとも私はそうでした。しかし、コツコツ取り組めば、いつかは最後のページにたどり着くものです。

実際に、2000語が記載されている単語帳を1週間で100語のペースでこなしていけば、20週間、すなわち半年以内には終わる計算です。

そして、毎日コツコツと英単語を暗記することで、「単語は完璧だ」という自信や、「勉強を習慣にできている」という自信がつき、実際に長文読解やライティングでもその成果が出てきます。

習慣化するまでが一番大変ですが、頑張ってください!