【東大生が教える】世界史の勉強法

地方高校生に、追い風を

はじめに

「範囲が膨大すぎて何から覚えていいかわからない……」
「覚えたはずなのにすぐにごちゃごちゃになってしまう……」
世界史について、こんな悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。

暗記科目の代名詞である世界史には、苦手意識を持つ人も少なくないでしょう。
ですが、裏を返せば、一度しっかりと覚えてしまえば安定して高得点を狙える科目でもあります。

今回は、世界史が大の苦手だった私が、苦手を克服しセンター世界史で満点、東大二次で約8割を取ることができた勉強法をご紹介します。


効果的な暗記のためのポイント

私が世界史を勉強するときに意識していたのは、以下の4点です。


1. 復習は反復して行う

みなさんは、いつ、何度復習をするのか、決めて学習に取り組んでいますか?

復習は面倒くさいからと放置したり、その結果として、問題を解いているうちに知識の欠落に気付き慌てて復習したり……といったことをすれば、成績の向上は見込めないでしょう。
何より、一度忘れてしまってから覚え直すのは、とても効率が悪いです。

受験生ならば一度は聞いたことがあるであろう、エビングハウスの忘却曲線。これに基づいて、忘れきってしまう前にこまめに復習することで、一から覚え直すよりも遥かに少ない労力で記憶の定着を図ることができます。

記憶は、エビングハウスの忘却曲線に合わせたスパンで繰り返し復習することで定着します。翌日、三日後、一週間後……というように段々間隔を延ばしながら復習に取り組んでみてください。

「何度も復習をするなんて大変すぎる」
「世界史にそんなに時間をかけられない」

と思うかもしれません。ですが、先に述べた通り、ほとんど覚えてない状態から覚え直すのと、ある程度覚えている状態から覚え直すのとでは、労力もかかる時間も違います。何度も繰り返し復習することが、結果として近道になるのです。


2. 文脈を知る

ここで言う「文脈」とは、出来事の背景・意義や、出来事と出来事のつながりなど、言わば世界史における事象に関する「ストーリー」です。

これを知ることで、単なる暗記に陥るのを避けることができるため、知識がごちゃごちゃになりにくくなります。さらには、論述問題にも活かせるようになります。

「文脈」を意識して授業を聞いたり、教科書を読んだりしてみてください。
より理解を深めたければ、流れを理解することに重点を置いた参考書を手に取ってみるのも良いでしょう。

3. 重要なものから覚える

世界史で出てくる事項が、全て同じ重要性を持つわけではありません。

絶対に覚えるべき頻出事項から、国公立二次試験レベルのもの、私大レベルのものとまちまちで、受験する大学によっても各事項の重要度は異なります。
自分の志望校の出題傾向を知り、どこまで覚えなければならないか把握しましょう。

「覚えるのがどうしても苦手だ」という人は特に、教科書の太字や、一問一答で一番高い重要度がつけられている事項から覚えましょう。
最重要の事項を覚えて大きな枠組みを作り、そこに必要に応じて細々とした事項を嵌め込んでいくイメージで知識を増やしていくと良いです。


4. 自分の傾向を知る

これは世界史に限らず勉強全般に言えることですが、まず自分の傾向を把握することに努めましょう。

黙読して覚えるのが合っている人もいれば、口に出して覚えることが合っている人、手を動かして覚えることが合っている人もいます。私の知人の中には、「口に出しながら歩き回るのが一番覚えやすい」と言う人もいます。また、記憶力も人によって違います。

どれぐらいのスパンで復習するのが自分に一番合っているのか、実際に試して探ってみてください。

私の場合は、具体的なイメージやストーリーを伴った方が覚えやすかったので、資料集で地図と照らし合わせながら出来事の暗記をしていました。

文化史は特に苦手でしたが、固有名詞を時代やジャンルごとに羅列しただけの暗記に陥ってしまっていたことが原因でした。
作者と作品名だけを覚えるのではなく、物語のあらすじや絵画の実物を把握するようにしたところ、以前より格段に覚えやすくなりました。

同様に、どうしても覚えにくい人物や出来事については、自分で調べてみて知識を補完するようにしていました。


基本の世界史勉強サイクル

ここで、実際に私が行なっていた勉強サイクルを一例としてご紹介します。

1. 授業を受ける

私が受けていた授業は、基本的に先生自作のプリントに穴埋めをしていくスタイルでした。
このとき、括弧の中に入る単語や年号は絶対に聞き漏らさないように気を付けつつ、先生が喋った内容をなるべくたくさんメモするようにしていました。

 2. その日のうちに復習する

休憩時間や移動時間、寝る前のちょっとした時間などを使って、その日使ったプリント全てにざっと目を通しました。

このとき重視していたのは、「その日の授業で扱った範囲の流れがきちんと掴めているか」ということです。

括弧の中を隠して覚えているか確認することは特にしていませんでした。その代わり、復習中に思い出した授業中にメモしきれなかったことや、因果関係を自分なりに言語化したもの、気付きなどを書き足していました。

授業中や復習中になるべくたくさんメモを残すようにしていたのは、ストーリーがある方が覚えやすいという自分の傾向を踏まえ、そういう些細な記憶が暗記や思い出すときに役立つことを経験的に知っていたためです。

3. 3日以内に復習と論述演習をする

「3日以内に」と書きましたが、模試などでどうしても時間が取れなかったときを除いて、復習は翌日に行っていました。論述演習のタイミングはまちまちでしたが、記憶の定着を図るために必ず3日以内に行っていました。これについては後述します。

このときの復習では、穴埋めの暗記・確認、穴埋め式問題集の演習を行っていました。間違えたところは時間を置いて見直しをし、ほとんど覚えられたら論述に移る、という形でした。

4. 翌授業日までに教科書の習った範囲を読む

世界史のために週に何度もまとまった時間をとる余裕のある人は、おそらく少数です。そして、世界史の教科書は分量も多く、通読するにはかなりの時間と根気が必要になります。

そのため私は、休憩時間などを活用して次の授業までにその授業で習った範囲を読み、分割して全体を読み切れるようにしていました。

5. 翌授業日にさっと復習する

私の場合は、世界史の授業の前に昼休憩があったので、そこで復習していました。
授業前の休憩でざっと見返す程度でよく、時間が取れなければ前日でも良いでしょう。次の授業までに済ませるのは、内容が混ざってしまうのを防ぐためです。

このとき授業の内容をほとんど思い出せるようであれば問題なく、思い出せなければ次の分とまとめて復習し、次からの復習のスパンを見直します。こうして、自分に合った復習のサイクルを作りました。


論述対策について

ここでは、論述を課す大学を受験する人向けに論述対策について説明します。

私が推奨するのは、授業で習った範囲の論述問題にすぐに取り組むことです。

授業の進度にもよりますが、だいたい週2題ほどで十分です。私は、200字〜600字のものを2, 3題、合計800字程度を目安にして毎週取り組んでいました。せっかく解いた問題は、ぜひ先生に添削してもらいましょう。

論述問題にすぐに取り組むことを推奨する理由は、2つあります。

まず1つ目は、単純に論述問題に慣れることです。
早いうちから論述問題に取り組んでいれば、その分多くの論述問題を解くことができます。加えて、論述の作法や論述に必要な知識・着目すべき観点を知り、それ以降の学習に活かすことができます。

2つ目は、復習の完成度をチェックし、アウトプットすることによりさらに記憶の定着させられることです。
覚えたつもり・理解したつもりだったができていなかったという事態はよくあります。アウトプットに取り組むことで、それになるべく早く気付き、修正することができるのです。


おわりに

私自身は、世界史は完全なる暗記科目ではないと思っています。論述問題は、暗記していれば解けるような問題ではないからです。

一方で、一定の知識がなければ話にならないのも確かであり、どこまで覚えなければならないか、見極めながら取り組む必要がある科目です。

「自分の傾向を知る」で触れた通り、人によって向いている暗記法は様々で、記憶力も違います。様々な方法を試し、自分に合った学習のサイクルをつくってみてください