【東大生が教える】地理の勉強法

地方高校生に、追い風を

はじめに

受験科目としての地理に、皆さんはどのような印象を持っているでしょうか。

つかみどころの無い用語が出てきたり、淡々と固有名詞を覚えていったり、「こんなの知らないよ!」と舌打ちしてしまうような資料が出題されたりして、ネガティブな印象を抱く人も少なくないかもしれません。

しかし、受験地理は、少ない労力で大きな点数をもぎ取れる可能性を秘め、更に教養も深められるお得な教科であると僕は考えています。

そこでこの記事では、そんな地理の魅力と、実際の勉強法を紹介していきます。

地理の魅力

まず、地理は覚えなければいけないことばがとても少ないです。恥ずかしい話ですが、僕は今でも都道府県の位置を全部覚えていません。自信を持って言えるのは半分くらい。受験生時代、名古屋県とか平気で言ってしまっていました。(それが常識的にどうなのか、ということはここでは置いておきます。)

ところが、そんな僕でも地理でアドバンテージをとれていましたなぜでしょうか?

それは、受験地理において必要なのは、たくさんことばや理論を知っていることではなく、「基本的な理解をもとに、その場で応用する」ことだからです。これは東大などの論述式試験に限った話ではなく、センター試験でも通用する話です。

もちろん、もっと高度な知識(といっても教科書や資料集にあるものが大半である)を求められる問題もあります。しかし、地理は「その場で考えて、自分なりの解答をなんとかひねり出す」ことで点数に結びつく問題がとても多いです。逆に言えば、知識があるだけでは答えられない問題が出題されます。つまり、地理は暗記科目ではないのです。

地理の勉強法

0. 概観

以下、受験地理の勉強法を紹介していきますが、地理で9割を超えるようないわゆる「高得点」を安定して取るのはまず困難です。どんなに得意な人でも知らない・わからない問題は発生してしまいます。目標とするところは「ちょっと得意」くらいにした方が無難でしょう。

地理は、ある程度まではすぐに点を取れるようになりますが、その上を目指すことが非常に大変な教科です。センター試験・共通テストでいえば、6割くらいまでは基礎を学び問題に慣れれば到達します。個人差は大いにありますが、学校の授業+1日1時間勉強×3ヶ月くらいで取れるようになるでしょう。

しかし、他教科との兼ね合いや志望校が要求する水準との関係もありますが、センター試験・共通テストの目標点は高くても85点くらいにして、高望みし過ぎない方がいいです。マニアックな問題まで取りこぼさないようにしてしまうと、ドツボに嵌りかねません。標準的・頻出の問題を拾いきれば大丈夫です。最小の努力で最大の結果を得ることを目指しましょう。(「自分は受験地理が得意だ!!」と思った人はさらに高みを目指してください!ただし、他の教科を疎かにしてはいけません。受験はあくまでも総合点勝負であることを忘れずに。)

では、具体的に勉強法を紹介していきます。とはいえ細かい部分になると、結局は個人の弱点などに依るので、この記事では勉強する上での大きな柱を挙げます。

1. 大→小の順で学ぶ

ここでの「大」は、「自然」と「産業」のこと、つまり基礎を指します。これらの盤石な理解を足場として、様々な方向へ推測の架け橋を架けられます。その中でも「気候」「資源」は非常に大事です。センター試験には必ずこの分野からの出題が複数ありました。地理界のアダムとイブといえるでしょう。これらを学ぶ時、なぜ?どうして?を大切にしてください。

例えば、ロシア東部・シベリアは同緯度の地域と比べて卓越して寒いです。これをただそういうものだとして覚えるのではなく、原理から理解しましょう。そうすることで、ロシアの場合以外の場合にも応用できるようになるのです。

こうした基礎を自分のものとした後に、地域ごとの情報をインプットすると頭に入ってきやすいです。もちろん、並行して学ぶのもありです。

根本原理を理解する時には、教科書や資料集以外からも多種多様な情報を集めて、妥協せずに完全に納得することが近道です。また、日常生活に関係することから出題されることもよくあります。常にアンテナを広く伸ばし、日常からも学ぶことができるといいですね。(覚える、暗記する必要性は小さいです。覚えるべきことは、問題に遭遇した時に、その問題を解きながら吸収していきましょう。)

2. 地図帳を愛でる

地図帳の最後の方にカラフルな地図が何種類もついていますよね。ここが地図帳の一番役に立つ部分です。少々乱暴なことを言えば、このあたりのページを見ながら問題を解くと、マーク式問題の半分くらいは正解できると思います。気候や標高、災害、資源分布等の多角的なデータを、目で見て身体に染み付けましょう。暇な時は地図帳を見ること!

学習したての時は、「あー、見たことあるけど、なんだっけ……。」ということが多発すると思います。それでもめげずに、その度に地図帳を繰って、補強を重ねていきましょう。そう簡単に会得できるものではありませんが、是非マスターして武器にしてほしいです。さらに、自分なりに大切だと思うことがあればどんどん書き込んだり付箋をつけたりして、自分だけの地図帳を紡ぎましょう!

3. 問題に多く触れる

結局これが一番大事なことです。他の教科にも通じる話ですが、問題を解けるようになるためには、たくさん問題を解かなければなりません。知識を得ただけでは点に結びつかないのです。楽譜を覚えても演奏できないのと同じ。知識が完璧でないからといって問題に挑戦しないのは愚かなことですし、そもそも完璧な知識なんて誰も持っていません。足場がぐらついている段階でも、どんどん問題に挑戦しましょう。何が自分に足りていないのかが見えてくるし、案外もう通用するフェイズに進行しているかもしれませんよ。

足場が固まった(標準的なことを理解した)後は、橋を架ける技術を磨いて(得点をもぎ取りに)いくことになります。ゴール地点がマーク式の問題を解くことならマーク式の問題集や過去問を、記述も必要ならその大学の過去問を真剣に考え抜いて徹底的に解き、解説を読み込み、読み込み(大事なことなので2回言いました)、問題の全てを自分のことばで解説できるようにして、己の血肉としましょう。

そして少し時間を空けてからの解き直しを忘れずに。1週間経ってから解き直してもスラスラ解けるようなら、身についた証拠です。解説を読み込んだ後に、問題に対する理解度に応じて自分なりの記号をつけておけば、解き直しの際の時間短縮につながります。何も見ないで全選択肢・問題について正解・不正解の理由を説明できるようになれば完璧です。

これらの作業を丁寧にこなしていきましょう。地理で合格点を取るためにセンスなんてものはあまり関係なく、成績が上がらないはずがありません。(実際にこの大変な解き直しループを完遂できる人は残念ながら少ないと思いますが……。)他の問題集をやって寄り道している時間はありません。狡猾に、効率的に点数を稼ぐことを目指しましょう。私たちに残された時間は多くありません!

おわりに

以上、高校地理について、僕の経験に基づき、ある意味偏見にまみれながら書かせていただきました。

これは地理に限った話ではありませんが、「情報を鵜呑みにしない」ことがこれからの世界では大切になってきます。当然、僕のこの話も含めて。最後の選択をするのは自分であるべきです。世間に溢れかえっている情報を取捨選択して、自分にとって最善の選択ができるよう頑張ってください!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。