【東大生がやっていた】模試の復習方法【科目別】

地方高校生に、追い風を

模試の復習は、今の自分の状況を把握するためにも大切です。

ここでは、東大生が勧める模試の復習方法を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。


数学

模擬試験を受けると解答がもらえます。まだ解いた記憶が残っているうちに復習をしましょう。
まずは普通に答え合わせです。

答えが合っていた問題に関しては、自分の思考プロセスと比較しながら解説を読み込みます。

こうすることにより、自分のやり方より手間の少ない方法やテクニックが得られるはずです。

答えが間違っていた問題や、時間の問題で手がつかなかった問題に関しては、時間制限を設けずに自力で一から解き直してみましょう。

答えが導出できたら上記の解けていた問題のような手順を踏めばいいですし、それでもダメであれば、その理由を分析します。

解説には、問題を解くにはどの内容の理解が必要だったのかが書かれているので、そのうち自分に欠けていたものが確認できます。そうしたら、その分野の勉強を重点的に行えばいいわけです。

模擬試験は、受けて終わっていてはその意義の30%ほどしか達成されません。ここまで噛み砕いてようやく100%使い切ったと言えるでしょう。
(工学部3年)


国語

国語の復習では主として、なぜ自分がそのような解答に至ったか本文をどのように解釈していたかどこで読みを違えたかの3点を明らかにします。

そのためには、解答解説冊子と自身の解答の精読が必須ですが、試験時間中に自らが考えていたことを思い出させてくれるような問題冊子上のメモ書きがあれば、より捗ります。

これらをたよりにしつつ、自身の思考回路と正解へのロジックの違いを検討してみてください。

あなたが理解しきれていなかったところが洗い出され、そこからあなたの弱点が見えてくるはずです。
(文Ⅱ・1年)


世界史

私の高校では、先生方に模試(特に世界史)で間違えたところのまとめノートを作るよう指導されていました。そのため周りの友人の多くは、間違えた問題をすべて切り貼りしたり、自分で分野別にまとめ直してカラフルなノートを作ったりしていました。

しかし私は、あえてまとめノートは作りませんでした。

理由は、「ノートを作っただけで覚えた気になって満足してしまうから」です。

東大生の中にも、まとめノートを時間をかけて作っていたという人はたくさんいるので、一概には言えませんが、私は丁寧にまとめノートを作る工作の時間がもったいないと思っていました。

なにより、まとめノートを作ることで「後でこのノートを何回も見返すから、今は完全に覚えなくても大丈夫」という気持ちを無意識のうちに抱いてしまう気がしていました。

油断していては、センター試験直前期ともなれば、連日の模試に追われて復習の時間が取れず、見返す時間もないし覚えてもいない、ということになりかねません。

そこで私は、模試の問題は切り貼りなどせず、模試の後すぐ短時間で見直しをして、終われば問題を捨てていました。

そうすることで、「今を逃したらこの問題には出会えない」という意識で問題に向き合えます。

あとで心配になったときは教科書などを見て確認すれば十分です。

見直し•復習をするときに気をつけていたのは、

①正解した問題も確認する
②解説の冊子を読み込む

の2点です。

まず1点目。自信を持って答えた問題でも、特にセンター模試の場合は4択問題の残りの3つの選択肢についてもすべて目を通し、曖昧なものをなくしていきます。

2点目。解説冊子には、実は教科書に載っていない内容がとてもたくさん書かれています。

これは東大模試に限らず、センター模試でも言えることです。

私はそれらをすべて、教科書の余白に書き込んでいました。

世界史は教科書中心に勉強していたため、毎日何度も開く度に目に入り自然と記憶が定着します。

「教科書に載っていないことまで覚えなくていいのでは?」と思うかも知れませんが、そんなことはありません。

特に解説の冊子には、「この事件がきっかけでこれが起きた」「これは世界で初めての出来事だった」「同時代にフランスではこれが行われていた」など、世界史全体の流れを把握する上ですごく大事な情報が盛りだくさんです。

私は、高3夏からこの教科書への書き込みを始めたのですが、よく模試に出題される内容が載っているページには、最終的に20箇所以上の書き込みがありました。

ページをめくりすぎたあまり、半年足らずで厚さが約2倍になった教科書を受験直前に2回通読して、私は世界史の学習の仕上げとしました。

実は私は、高3の夏まで世界史が大の苦手でした。

それを半年という短い期間で克服できたのは、この模試の復習方法があったからだと確信しています。

人それぞれ向いている勉強法は違うので全員にとって最適な方法とは言えませんが、頭の片隅に置いていただければ嬉しいです。


日本史

模試の試験中に、問題用紙に、わかった問題には◯、自信がない問題には△、分からなかった問題には×の印を付けておいて、試験後に模範解答が配られたら×と△のマークのところの解説を重点的に読み、必要なら教科書などで確認していました。
(文Ⅰ・1年)


物理

数学や英語は良くても、物理の模試の復習方法がわからない人は、結構多いのではないでしょうか。

結論からいえば、基本的に数学と同じ復習方法で良いです。

化学と異なり、分野別で復習法を変える必要は特にないと思います。なぜなら、高校物理では、分野別で必要な能力にほとんど違いがないからです。

解答プロセスを理解し、自分の解き方と比較しながら、思考をより試験場で使えるものにしていきましょう。

その際、特に物理で重要となるのが解答時間とその正確さになります。

数学と異なり、物理は本質的に数値が大切な学問なので一般に計算ミスへの採点は厳しいとされています。

加えて、間違いが連鎖する『雪崩れ』にもつながりかねないので、プロセスを頭で整理した後、再度実際に手を動かして解答を再現するのも重要です。

もちろん、ただ解答をなぞるだけでなく、試験場での着想時間配分も考えながら復習をしましょう。

また、模試で苦手分野が見つかったら、重要問題集などの参考書を用いて類題を解くとより良いです。

そのときには、「実力を確かめるんだ」という意識ではなく、「実力を伸ばすんだ」という意識で問題に取り組みましょう。
(理I・1年)


化学

理論化学

理論はとにかく計算問題が多いので計算自体にミスがなかったか、有効数字でミスをしなかったか、そもそも考え方が正しかったかということに着目して復習をしましょう。

有効数字ミスや計算ミスについては、その人特有のミスのパターンがあるので復習ノートを作って、自分のミスのパターンを分析すると効果的です。

分析結果をもとに、普段の演習から自分がやりがちなミスを意識していきましょう。

考え方でミスをした時は、模範解答を読み返したりもう一度参考書に戻って類題を解いてみたりすると良いです。

一度やったミスは二度としない、くらいの意気込みで復習をしましょう。

無機化学

無機は暗記が中心です。とはいえ、反応式の仕組みなどを理解するには、酸化還元や酸塩基など理論の知識も不可欠です。

化合物の色や、実験の手順などで間違えてしまったら、図表などを用いて視覚的に覚え直すと良いです。

化学式は覚えづらいことが多いかもしれませんが、一度ミスしたものは何回も紙に書き出して覚え直すと効果的です。

一度ミスした知識問題はノートにまとめておくと、自分だけの資料集が出来上がって、とても使い勝手が良いと思います。

有機化学

対策が遅れがちな有機ですが、それはほとんどの人に当てはまることだと思います。あせらず定着させていきましょう。

構造式や、反応物の生成でミスをしたときは、自力で系統図を書いてみて覚え直すと効果的に復習できます。

また、有機も知識問題が多く出るので無機のところで書いたように、自分だけのまとめノートをつくると良いです

有機に限ったことではないですが、一度解答を見て分かった気になるのではなく、自分で答案を再現することが大切です。
(理Ⅰ・1年)