過去に配信されたメールマガジンの記事になります。東大生の生の声が綴られています。お楽しみください!(なお、執筆者の科類や学年は執筆時点でのものとなります。)
理科二類2年 Y.S.
みなさん将来の夢は何ですか?
高校生の頃の私の夢は「結婚して子どもを産んで、幸せになること!」でした。
この気持ちは今でも変わっていませんが、将来の夢としての答えとしては、やや不適切かもしれません。
今回は、いわゆる「将来の夢」についてお話ししていきたいと思います。
高校生だった頃の私は、「将来」も「夢」も漠然としていてよくわかっていませんでした。
そんな中で、持っていた『夢らしきもの』について、お話しします。
・高校時代の夢~その1~
私は中学生くらいの頃から、何となく将来お医者さんになりたいなぁ、と思っていました。
きっかけは本当に些細なもので、「ドラマを見ていてかっこいいと思った」とか、「周りの大人たちに『お医者さんになったらいいよ~』と言われたから」とか、そんな感じだったと思います。
そんな状況で高校に入学しました。私にとっては、高校選びが自分にとっての大きなターニングポイントだったと思っています。
母校に通っていなければ、私はきっとそのまま医学部志望で受験を迎えていたことでしょう。
高校での授業は中学までとは全く違って面白いと感じていたし、先生方も尊敬しかありませんでした。
そんな中で感じたことは、
やってて楽しいのは物理や数学だし…
人の体…?病気…?あんまり興味ないかも…
すごい思い入れがあるわけじゃないしなぁ…
考えれば考えるほど、「私は本当に医者になりたいのか」という疑問が大きくなっていきました。
・高校時代の夢~その2~
医者になる意思についての疑問を抱えながら、「医学部ではなく、東大に行こう」と考えるようになりました。
一番の理由は、東京で大学生活を送りたかったからです。
さて、将来は何になりたいか。また新しい疑問が出てきます。
当時の私は将来のことをうまくイメージできないまま、「母校で先生をやる」と言いました。口から出任せです。
理由を後付けし、「自分が高校に入学する前では、行こうとさえ思えなかった東大に挑戦しようと思わせてくれた母校で、未来の高校生をより良い進路に導いてあげられたら最高だ」と自分を納得させていました。
すると、その場しのぎで言ったものの、将来そうなる選択肢も十分に魅力的だと感じるようになりました。
・大学に入ってからの変化
大学に入学してからは、勉強ばかりだった生活から一変し、サークル活動や小学校でのボランティア、アルバイトなど、高校までにやってこなかったことにも取り組みました。
活動を通して色んな人に出会い、時には自分がやるべきことを全うできず悔しい思いをしたこともありましたが、もちろん活動自体は興味深く、刺激的でした。
活動の中でも、一番私が感じたのは「人との関わり」です。
自分が思っていた以上に色んな考え方があること、人と話をすることの難しさ、そして自分が元気であることは思っていた以上に長所であること、に気づくことができました。
また、授業を受けていく中で、机に向かって何かを突き詰めて勉強を続けるよりも、より実践につながる学びがしたいと感じました。
そして、人との関わりが多く、直接人に元気を届けられることがしたいと考え、医学部に進学し看護を学ぶことにしました。
高校生の時には「興味がない」と避けていた生物ですが、看護に携わるためのステップとして、生物に向き合うことになりました。
今の私が選んだ進路を、高校生の自分が知ったら「生物なんてあり得ない!どうして!?」と驚くでしょう。
しかし、大学生になっていろんな経験を積んだからこそできた進路選択だったと思うので、とても満足しています。
卒業後は、まず看護師としての経験を積んでスキルアップしたいと思っています。
残りの大学生活の中で、より広く専門的な知識を得るとともに、勉強以外の面でも様々な経験をして、「そんなことやってるの?」と驚かれるような、ただ者じゃない看護師になりたいです。
「病院で働く看護師」にとらわれすぎず、その時自分のやりたいことができる、自分をいかせる場所で活動していきたいと思っています。
・おわりに
今の私は、高校時代の自分からは想像できなかった道に進んでいます。
また、きっかけとなったのは、授業だけでなく、大学生になって経験した様々な活動だったように感じています。
みなさんも、ちょっとしたことがきっかけで将来の目標が見えてくるかもしれません。
高校生の間は様々なことに挑戦するのは難しいかもしれませんが、一つ一つの経験を大事にしていくことから始めてみてはどうですか?
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