はじめに
「小論文対策って何をすれば良いのかよくわからない……」
「受験科目に小論文があるけれど、対策する余裕がない……」
こんな不安を抱えている受験生もいるのではないでしょうか?
確かに小論文は、ただ知識を覚えるだけでは太刀打ちできない、対策が難しい科目です。
また、併願校でしか小論文が課されない、他の科目の対策に力を入れたいなどの理由で、後回しになりやすい科目でもあります。
しかし、入試では1点の差が命運を分けるもの。全く小論文対策をせずに入試に臨んでしまっては、痛い目を見るかもしれません。
この記事では、受験3週間前から併願校の小論文対策を始め、なんとか合格を勝ち取った私が、短期間でできる小論文の勉強法を紹介します。
医学部入試や推薦入試など、小論文の配点が高い入試を受ける場合は、より本格的な対策が必要なので注意してくださいね!
1週目:まずは解答例を分析しよう
受験対策というと、実際に自分で解き、答え合わせをするという勉強法を思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし、小論文に不安を持つ人が、いきなり問題を解くことはおすすめしません。
なぜなら「あと3週間しかないのに、全然解けなかった……」と、不安や苦手意識が強まってしまう可能性が高いからです。
また、書くことに時間がかかり、他の科目の対策に手が回らなくなってしまっては良くありません。
そこでおすすめなのが「過去問の模範解答を分析する」という方法です。
この方法には、3つのメリットがあります。
1つ目は、小論文への心理的ハードルを下げられるということです。
小論文に不安や苦手意識を持つ人は、「斬新なアイデアがないと評価されない」「難しい表現を使わなければならない」といった先入観を抱いていることがあります。
しかし、実際に模範解答を見ると、意外と思いつきやすい発想で、平易な文章で書かれているものが多いのです。
そのため、先に模範解答を読むことで「これなら自分でも書けそうだ」という自信を持つことができます。
ただし、模範解答には様々なものがあるので、「この解答はあまりよくないな」と思ったときは、複数の解答例を確認するようにしましょう。
2つ目は、文章の表現・構成の仕方を学べるということです。
たとえば、小論文には、序論→本論→結論という文章構成の型があります。
「そんなことは知っているよ」と思った人もいるかもしれませんね。しかし、この構成で実際に書いてみようと思うと、意外と難しいのではないでしょうか。
そこで、模範解答を分析すると、実際にどのような論理構造で小論文が書かれているのかが浮き彫りになります。
そして、論の進め方や、1つの話題にかける文章量など、文章の組み立て方がわかるようになるのです。
3つ目は、発想力がつくということです。
発想力とは、問いに対して自分なりの意見を持つ力のことで、小論文を解く上で不可欠な能力です。
小論文では、志望学部・学科の学問に関するテーマが出題されることがほとんどです。
それは、その学問についてどれだけ深く考え、自分なりの意見を持っているのかを知るためです。
模範解答を読むことで、そのテーマについて新たな視点や知識を取り入れることができます。そして、受験本番でもそれが発想のヒントになることでしょう。
私は、模範解答を原稿用紙に書き写し、ポイントだと思った箇所を赤ペンでメモするという勉強を、1日1時間ずつ、1週間続けていました。
このとき、ただ書き写すのではなく、書き写しながら文章構成や論の進め方などを読み取ることを意識していました。
模範解答の分析に1週間も費やすことには不安もありましたが、小論文に必要な力をしっかりと定着させることができ、効果はあったと感じています。
2週目:構成メモの作り方を学ぼう
小論文では、限られた時間内で文章をまとめる必要があります。
そのため、「早く書かなきゃ」という焦りから、いきなり本文から書き始めてしまう人も多いです。
しかし、内容を整理しないまま書き始めると、前の文と食い違うことを書いてしまう、趣旨がわかりづらい文章になってしまうなどのミスが起こりやすくなります。
また、書き直しが多く発生してしまうために指定字数を満たせず、0点になってしまうこともあります。
小論文を書くときは、必ず「構成メモ」を作るようにしましょう。
構成メモとは、書く内容や文章構成を整理するための、文章の設計図のことです。
構成メモを作ると、文章全体の構成が明確になります。そのため、論理に一貫性が出やすくなるほか、よりスムーズに答案を書くことができます。
しかし、構成メモの作成には慣れが必要です。
私は、過去問の解答例や解説を読みながら構成メモを作る練習をすることで、自分なりの構成メモの作り方を身につけました。
具体的には、以下のような手順で構成メモを作っていました。
1. 問いに対する意見を複数考える
2. それぞれの意見に対する理由を箇条書きで書き出す
3. 書きやすい立場を1つ選び、どの根拠を用いるかを取捨選択する
過去問の解説には、どんな風に意見を組み立てれば良いのかが詳しく書かれており、場合によっては構成メモの例が載っていることもあります。
それらを参考にしながら、自分なりのスタイルを確立してみましょう!
3週目:自分で構成メモを作ってみよう
構成メモの作り方がわかったら、今度は実際の問題から構成メモを作る練習をしてみましょう。
慣れてきたら、本文に30〜40分かけられる程度のペースを目指すと良いでしょう。
構成メモは、「小論文の質が8割決まる」と言われることもあるほど重要なものです。
逆に言えば、構成メモさえ作ることができれば、怖いものはありません。あまり対策に時間をかけられない人は、最低限構成メモを作る練習をしておきましょう。
余裕があれば、実際に書いてみよう
上でも述べた通り、受験本番までに構成メモを作れるようになっておけば、さほど心配することはありません。
私自身、本番までに本文を書く練習をする時間を取れなかったのですが、構成メモを30分で作る練習を重ねたことで、本番は時間内に小論文を書き上げることができました。
しかし、もし余裕があれば、本文を書く練習もできると安心です。3週目に自分で作った構成メモを使って、実際に本文を書いてみましょう。
もちろん、解き終えた後はしっかり復習し、どうすればもっと良い答案が書けるのかを確認してくださいね!
終わりに
この記事では、私の体験談をもとに、3週間でできる小論文の対策法を紹介してきました。
「受験本番まで時間がないけれど、何も対策をせずに小論文を解くのは不安だ」という受験生は、ぜひ参考にしてくださいね!
また、この記事で述べた方法論やポイントは、国語や社会の論述問題などにも通用するものです。
小論文対策の経験を糧にして、志望校合格を勝ち取りましょう!