【広島から東大へ】地方高校生の遠方受験

地方高校生に、追い風を

駒場キャンパス二次試験の写真

はじめに 

実力を十分に発揮するためには、十分な準備が必要になります。そのため、皆さんは、最後まで学力を上げて受験に臨もうとしているのではないでしょうか。

けれども、受験に大切なのは学力的準備だけとは限りません。持っているだけの学力を発揮できる環境作りも大切な準備の一つ。

それを分かってはいても勉強で忙しいという皆さん、遠方受験を現浪2回体験して、その道には十分詳しい(つもり)の私の記事を読めば、遠方受験で自分の力を出し切る準備は万端です。

もちろん遠方受験しない人にも、有益な情報を乗せていたり、浪人の痛みを知っているからこその正直な応援メッセージがあったりするので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!

受験スケジュールに関するアドバイス

1、出願校の出し方に関して

私は、現役時代に全ての大学に落ちてしまったトラウマで不安になり、浪人時代にはとてつもない数の出願を出しています。

しかし、受験を振り返ってみて、あんなに出す必要はなかったと思います。

個人的意見ではありますが、東京に限らず、自宅から遠い大学を受験するのであれば、安全校をセンター利用で1、2校、できたら地元の大学を全学部日程か個別試験で1校、そして本命校を2、3校(1校につき1、2学部)で十分だと思います。

というのも、私はほとんど全ての大学に受かっていたうえに、そうなるであろうことが私の模試の成績からして予測可能だったためです。また、万一不合格になってしまったら、動揺してしまうことも考えられます。

安全校の合格をもらっておくことも確かに大切ですし、地元受験は受験の雰囲気に慣れるために1回くらいは受ける価値があるのですが、あまりにも出願を出しすぎるのはお金と時間の無駄遣いです。

どんな入試でも過去問対策は必須なので、極力第一志望に時間を費やすためには、受験校をある程度絞っておくのが賢明です。

自分の力を過大評価するのも良くありませんが、過小評価も良くないので、模試の成績に照らし合わせた冷静な出願をしてください

2、移動時や滞在先に関して

旅行会社の人によると、冬は雪で飛行機が止まりやすいようなので、移動手段は新幹線がおすすめです。交通機関のトラブルに備えて、試験の2日前には現地に入りましょう

私が宿泊したのは渋谷駅のすぐそばにあるホテルでした。実際に泊まってみて、渋谷駅は色々な大学に近かったので、便利でした。大学の場所によって変わってくるので一概には言えませんが、東大受験に関して言えば、渋谷はおすすめです。

また、塾の先生曰く、受験期にあまり長く現地にいると、勉強に身が入らず良い結果が出づらいようです。受験スケジュールにもよりますが、もしかすると一人のホテルよりは、周りの人たちが勉強している地元の塾の方が勉強も捗るかもしれません。

移動にかかるお金のことはあまり考えず、自分にとって最適だと思うスケジュールを立てましょう

持っていくと良いもの

すべての受験生に必要なもの

1、薬

常備薬は必須です。酸素が頭に行かないと試験に集中できないので、鼻詰まりが気になる人は点鼻薬を持っていくのがおすすめです。

また、緊張が体調に出やすい人は、下痢止め、痛み止めなどを持っていくと良いでしょう。

女子は痛み止め、生理用品は持っていきましょう。

さらに、これはあまり言われることがないと思いますが、どうしても生理が重い人は、ピルで生理を止めることも検討すると良いでしょう。

私は普段から生理前になると人に当たってしまったり、勉強に身が入らなくなったりすることがありましたが、ピルを飲むと、それほどイライラしなくなりました。

2、携帯電話

模試のときに電源を切った状態で受けるなど、使い方を練習しておきましょう。電車の遅延などで本当に困ったときに必要になります。

遠方受験をする人が持っていくと良いもの

1、消毒グッズ

スプレータイプのものとウェットティッシュ、両方用意しておくと便利です。

途中でなくなることも想定して、2つずつ持って行きましょう。

2、入浴剤、アイマスク

受験前は緊張で全身硬直するので持っていった方がいいです。

3、東京の地図+大学にいく方法がわかる地図+ホテルまで行く道がわかる地図

後にも書きましたが、デジタル地図に頼っていると道を間違うことがあります。他の方からもそのような話を聞きました。

4、酔い止め 

普段は酔わないからといって油断は禁物。心の緊張が体に伝わり、酔ってしまうことも考えられます。

また、車は大丈夫でも新幹線では酔うことがあるので、酔い止めを持っていくことをおすすめします。

ただ、私と私の親は酔い止めを飲んだ後爆睡してしまい、降りるべき駅に着く2分前に目を覚ますということがありました。

あまり眠くならなさそうなもの、そこまで成分が強くないものを用意するのが望ましいでしょう。

こんなことに気をつけて!

道に迷う

慣れない土地であるために、本番で緊張しすぎないように下見は絶対に行きましょう。特に電車に乗るときには、急行と各駅停車を間違うことが多いので、しっかりチェック。

理系で東大志望の皆さんは、本郷三丁目駅が最寄りで、本郷キャンパスで受験します。ただ、他にもいくつか使える駅があるので、どの駅がいいか考えておきましょう。少々脱線しますが、赤門はとても混雑するので、赤門ではない門から入場するのがおすすめです。

文系で東大志望の皆さんは、駒場キャンパスで受験しますが、駒場東大前駅には各駅停車の電車しか止まらないということを覚えておいてください。さらに、一つしか門がないので、入場するのに10分から20分ほど待たされます。早めの行動を心がけましょう

また、ホテルに向かう際にスマホの地図アプリを使いましたが、位置情報が正しく表示されないこともあるので、注意が必要です。地図アプリは参考程度にして、通りすがりの人や警備員の方に頼るのも良いでしょう。

食べ物について

まず、これは全ての受験生に言えることですが、刺激物や生ものは控えましょう。試験に勝ちたいからとんかつ食べよう!というのはNGです。

ここからは地方から東京受験をする皆さんに言えることですが、お金は思い切って使って、いいものを食べた方が良いと思います。衛生面的にもそうですし、ホテルで缶詰になって勉強している身にはとても気分転換になります。

また、東京は待たないといけないことが多いので、お腹を壊したくない、ちゃんとしたものを食べたいからといって外食はおすすめしません。コンビニで買う、ルームサービスを利用するなど、ホテル内で食べられるものを用意すると良いでしょう。

個人的にはルームサービスがおすすめです。部屋から一歩も出なくていいし、衛生的だし、何より美味しい。親が東京についてきてくれそうなら、親に買ってきてもらうのもありだと思います。

親について

現役時代に親がふたりともついてきてくれたのですが、母1人でよかったかもと思いました。3人だと、各々の行動スケジュールのすり合わせや意思疎通が意外にも負担になりました。浪人時代は母だけについてきてもらいましたが、十分でした。

心や体の健康について

地方高校生は受験直前はホテルにこもり切りで勉強するため、心が病みがちになります。

私の場合は、かなり厳しかった私大受験の前日にスマホを2時間触ってしまいました。そういう時はあまり自分を責めすぎず、必要な時間だったと思って切り替えましょう。

しかし、そういうことになる前に、散歩したり、運動したり、お昼寝したりして、体を休める方向で休憩しておくのがおすすめです。

コロナ対策につい

1、防寒着を準備しよう

大学は、教室の作りが独特であることが多いので、寒かったり暑かったりします。脱ぎ着しやすい服装を心がけましょう。それでも辛い場合は、我慢せず試験監督の方に申し出てください。

また、寒い空気は足元に、暑い空気は頭の方に行きやすい傾向があるので、膝掛けを持っていくのがおすすめです。

ただし、大学によっては申請が必要なこともあるので、受験における注意事項をチェックしておきましょう。

2、消毒グッズを準備しよう

新幹線や電車で自分が座る座席やつり革、ホテルの部屋、試験場の机や椅子は絶対消毒しましょう。

特に試験では、多少体調が悪くても受験しにきている人がいるかもしれません。

スプレータイプのものとウェットティッシュタイプのもの、両方準備しておくと便利です。

試験を受ける直前に思い出してほしいこと

大学によって、試験中に机の上に出しておいて良いものが変わります。

シャープペンシルの芯を出してはいけない、辞書は出しておいてもいいけれど、付箋は全て外さなければならないなど、大学の個性が出るところです。しっかり受験上の注意を確認して、試験監督の方の話は真面目に聞きましょう。

また、机やパーテーションに落書きがあると不正行為と見なされるため、休憩が終わる3分前にはチェックを行いましょう。

私の受験スケジュール

あまり参考にはならないかもしれませんが、私の受験体験談をお話しします。

現役時代は、本当に入りたいと思える、東大理科二類と私大2校を受験しました。

浪人時代は文転をして、物理化学数学から解放されて楽しく勉強できるようになったものの、二浪は避けたいというのが私の考えでした。そのため、共通テスト利用を3校、それぞれ文学部と法学部2学部ずつ(社会学部が存在するところには社会学部も)受験しました。

また、広島受験を2回、東京受験を東大の文科三類含め3回経験しました。

私大1校受けた後にホテルを変えて、もう1校の私大を受験し、いったん広島に帰って、最後に東大を受験しに行きました。また、後期受験の出願もしていましたが、東大が終わった後は一気に気が抜けてしまい受験しに行くことができませんでした。   

実際におきたアクシデント

受験の前日の夜に大きめの地震

東京では、他の地域に比べ、地震がよく起こります。

特に地方高校生の皆さんは、地震に対する耐性がないため動揺してしまうかもしれません。地震はいつか絶対に起こる、くらいの気持ちでいくことをおすすめします。

また、ホテルに着いたら、避難経路と、部屋の中ではどこが安全そうか確認しておきましょう。

電車が止まった

私は時間に余裕をもって試験会場に向かったので問題なく試験会場に着いていましたが、試験開始が1時間半延びました。

電車の遅延の他に、試験会場に入るまでに長蛇の列でとても時間がかかることがあるので、着席時間の1時間前には会場につけるようにしておきましょう。

また、当日使う予定の道や交通機関が確実に使えるものであることを確認し、交通機関が止まった時の代替の交通手段なども考えておきましょう。

さらに、出る前に交通機関の運行情報をチェックすること、そして試験開始時刻が延びるのに備えて問題集、参考書をたくさん持っていくことをおすすめします。大学から情報を受け取れることもあるので、携帯電話も持っていきましょう。

電車が遅れていたため親と待ち合わせできなかった

1校目の受験が終わったあとで親と待ち合わせてホテルを移動する予定だったのに、荒天で電車が遅れ、親と待ち合わせできず、移動先のホテルに自分で移動することになりました。

試験会場やホテルなど、行かなくてはいけない場所に関しては、親に頼りすぎず自分で行き方を確認しておくことが大切です。

トイレが待たされる

普段はトイレに行きたくない人でも、緊張するとトイレに行きたくなります。

試験場に早めに着いておいて、余裕を持ってトイレに行くようにしましょう。試験中にトイレに行きたくなった場合、あまり我慢せず、試験監督の方に申し出て行くようにしてください。

また、私が受けた私大では、1フロアに女子トイレが1個しかない棟もありました。色々なトイレを探してみたものの30分は待たされたので、勉強道具を携行して並ぶと良いでしょう。

個室内に問題集をおくところがないこともあるので、ポケットサイズの問題集や、ルーズリーフに書いて持っていくのがおすすめです。

さらに、時々洗面所で口をゆすいだり歯磨きしたりする人がいます。感染対策の面からも、トイレのものには極力触らない、レバーはトイレットペーパーを使って触る、トイレから出たら除菌スプレーを使う、など工夫した方がいいです。

最後に

私が浪人時代に東大を受けた際に、ある大手進学塾が、

合格するのは、いつものキミだ。あせらず、気負わず。

という広告を出していました。本当に勇気づけられました。

一方で、自分でも気づかないうちに、いつもの自分ではない強靭な自分がいることも確かだと考えています。学力面においても、精神面においてもです。

私自身、得意の数学でやらかしダメだと思い大泣きしましたが、英語まで気力で受けて帰った結果、文転の影響で壊滅的だった日本史でなぜか挽回し、合格しました。

受験は最後まで何が起こる分からない

落ちたと思っていたけれど受かっていた、という話は意外とよく聞きます。

失敗した、と思った時、普段から感じている自分の不甲斐なさに押しつぶされそうになるかもしれません。ですが、100%頑張れた人なんてほんの一握りです。

弱い自分、しかし最後まで諦めなかった自分を見失わず、志望校に対する思いの丈を解答用紙にぶつけてきてください。

陰ながら応援しています。