浪人体験記1

地方高校生に、追い風を

もし今読んでくださっているあなたが、入試において残念な結果に終わってしまった方であるならば、長文ですが私の記事にお付き合い下さい。
読んで損はさせません。

では本題です。今回は以下の内容について説明していきます。
1.予備校選びまで
2.予備校での生活
3.浪人して良かったこと

1.予備校選びまで

最初に私が予備校を選ぶまでのことを話しますね。
私は現役時代も東大の理科二類を受験して、合格最低点より20点足らず不合格でした。
合格発表日にそのまま飛行機で北海道へ行き、北大の後期試験(理学部数学科)を受けました。そして戻ったその日に浜松の駿台と河合塾の説明会に参加しました。この頃は落ちたことに泣く暇もなかったですね。
北大には合格できましたが、このままじゃ終われないという思いから、北大は休学し浪人の選択肢を選びました。(実は試験を受けてから一度も大学には行っていません。電話で応対してくださった方がとても親切で、休学届の郵送だけで済みました。お金も入学金しか払ってません。)
家族や高校の担任とも、東大に再チャレンジすることで話が落ち着きました。
そして予備校選びですが、私は地元静岡(浜松)にある河合塾を選びました。東京の予備校に寮で通う選択肢もあったのですが、自分よりもっとできる東大志望者が大勢いるクラスで生き残れるか自信がなかったので地元に残ることにしました。宅浪は人と関わることがなくなり精神的にしんどいだろうと思ったのでしませんでした。
駿台と河合塾で悩みましたが、自分はもともと塾に通った経験がなく、高校の先輩が河合塾で浪人して東大や京大に合格していたことから、最終的に河合塾にしました。どちらでも合格するには問題のないカリキュラムだと思います。直感的に気に入った方を選べばいいでしょう。

2.予備校での生活

次に予備校での生活ですが、大雑把には4~7月は基礎の勉強、7~8月は夏期講習、9~11月は応用の勉強、12~1月は冬期講習とセンター対策、1~2月は直前講習といった感じでした。河合塾以外の予備校でも似たような流れだと思います。
入試を終えて一通りの知識や応用能力が身についているとはいえ、もう一度基礎からやり直すことが浪人生の合格の近道です。よって4~7月は「入試レベルにおける」基礎~標準レベルのテキストの問題を解きながら、講義で知識や解法の確認をしていました。レベルの高い講師(河合塾は名古屋が本拠地で、名古屋の一流講師が浜松まで来てくれていたんです)からいろんな話が聞けて、塾という世界を知らなかった自分にとっては毎日が感動でしたね。
夏期講習は特定の教科のみ「東大〇〇」という題名の講座を選んで受講し、残りの時間は7月までに使ったテキストの復習に割きました。追加で買った問題集は東大の過去問と生物の難関大レベルの問題集ぐらいで、それ以外は殆どやっていません。
9~11月に使ったテキストは東大京大レベルの中でも特に難しい問題ばかりで、できないものも多かったですがそれらは復習中心で取り組んでいました。
もっとも、基礎レベルが夏までに確立していたので、成績(特にマーク模試やいろんなレベルの人が受ける記述式の模試)は1年前と比べると偏差値で10以上上がりました。これは当時すごく大きな自信になりました。
センター試験の時期には河合塾の市販の過去問集(赤本より掲載年数が若干多い)、マーク模試の過去問集(河合塾(全部)、駿台(全部)、東進(数学・化学)、代ゼミ(生物・地理)、Z会(国語以外))を買い漁り、片っ端から解いていました。マーク練習は散々やっていたし、2浪するつもりもなかったので採点も直しも全て直接書き込んで使っていました。国語は過去問が1番良質なので過去問中心にしていました。
センター後は専ら過去問演習でした。この辺は現役時とやることがそれほど変わってません。
1日の生活としては、朝は9時半開始、終わりは17時~19時くらいで、1時間90分制度でした(駿台はいろんな教科に毎日触れようというスタンスなので1時間50分ですね)。
電車で往復約2時間かけて通っていたので、電車ではいつも座って数学や化学の計算をゴリゴリ解いていました(そのうち自分の横の席に座ってくれる人がいなくなりましたが笑)。センター演習も過去問広げて「次の駅に着くまでに微積1題解くぞ~」みたいな感じで電車でやってました。この時間を有効活用できたことはとても大きかったですね。
お昼は仲のよかった高校同期が偶々数人同じ予備校に通っていたので、彼らと一緒に食べていました。自分の所属のクラスも東大京大医学部の最上位コースで13人しかいなかったので、その人たちと一緒に過ごす時間も和気藹々としていて楽しかったです。
2次試験前は1年前と同じホテルに泊まり、試験会場も同じ部屋だったので余計なストレスはありませんでした。
最終的には理科二類の合格者平均点くらいは取れました。

3.浪人して良かったこと

浪人して良かったことは多くありますが、1番良かったのはカウンセリング(河合塾内にあって、無料で利用できました)に1年間通っていたことで、毎週1時間ほどカウンセラーさんとお話ししていました。精神が病んでしまったからではなく、秋になると模試の成績が安定しないことを危惧して軽い気持ちで行ってみたことがきっかけでした。
最初に会ってたった30分で「あなた、プライド高いでしょ」と言われたり、自分の弱いところをカウンセラーさんに突きつけられたりと辛い時もありましたが、それまで気にとめていなかった自分の価値観に向き合う機会(本当は内容だけで1つ記事が書けるほどの濃い内容ですがカットします。抽象的で申し訳ないです)を与えてくれました。
そして結果的にはテストも安定した成績を残せるようになりました。本当に感謝しています。

浪人って、暗くて、辛くて、病んで、カッコ悪い。そんなイメージの方も多いかもしれません。
でも私の浪人生活は「楽しかった」です。
大変なときも勿論ありましたが、「今持っている力でどのくらい太刀打ちできるか」という前向きな気持ちで常に模試に臨めていましたし、最後の2次試験でもこれでダメならしょうがないとある意味吹っ切れていました。
こんな風に気持ちを持っていけるようになったのも1年間でちょっとは進歩したところなのかなぁと感じています。
浪人生には「勉強だけしていればいい1年」が与えられているわけです。
せっかくですから納得のいくところまで勉強して、これからどんな道に進もうかなぁなんてじっくり考えてもらえたらと思います。