2019/03/30-31 春の学校

地方高校生に、追い風を

2019年3月30日と31日の二日間にわたり、山形県鶴岡市のホテルテトラリゾートにて、山形県の高校生を対象に難関大セミナー「春の学校」を開催しました。本年度は酒田東高校、新庄北高校、山形東高校の生徒にご参加いただきました。

「仲間と未来を切り拓く」というコンセプトの元、普段得られないような刺激を他校の生徒や大学生との交流から得ていただき、高い志を共有する仲間を作っていただくことと、大学受験という未来に対して能動的かつ主体的な姿勢を獲得していただき、自主的に未来を切り拓いていけるようになっていただくことを目標として企画を実施しました。

以下が企画の詳細です。

【パネルディスカッション:いしみつの東大方程式】

大学生全員が登壇し、大学生としての生活について語るパネルディスカッションを行いました。バラエティ番組を模した形式でアイスブレイクの一環として生徒さまの緊張をほぐすとともに、高校生のうちにあまり知る機会のない大学生の暮らしについて、実体験をもとに伝えることで、大学生になった自分についてより具体的にイメージできるようになっていただくことをねらいました。各所で生徒さまに笑っていただくこともでき、加えて最後の質疑応答の時間も活発に質問をしていただき、アイスブレイクになるとともに、大学生活へのイメージも膨らませていただくことができたと存じます。

【自主選択ゼミ(高校編) 〜『受験勉強』を知る〜】

大学生がそれぞれ違った題材で受験に対する学習や心構えについてゼミを開催し、これを受講していただきました。少人数での実践型のゼミを通して、生徒さまに「受験勉強」のイメージを掴んでもらうとともに、自分の合格のための指針を得る手立てとすることを目指しました。生徒さまそれぞれに興味・関心からゼミを選んでいただきましたので、飽きずに楽しみつつ、これからの自分の受験勉強に役に立つ学びを手に入れていただけたと思われます。

【⾃主選択ゼミ(大学編) 〜学問との出会い〜】

本企画では「学問との出会い」をテーマに、5人の大学生による5つのテーマのゼミを行いました。生徒様にはそれぞれの興味関心のある分野のゼミを受講していただき、大学での学問を体験していただきました。

特にゼミ内でのディスカッションやワークショップなどの実践を通して学問に触れられたことが、生徒様にとっての学びや納得に繋がったと思われます。普段触れることのできない大学での学問について少しでも知ることのできる良い機会となったのではないでしょうか。

【ワークショップ:ぼくのかんがえたさいきょうのじかんわり】

大学生との交流の機会が少なく、具体的な大学生活をイメージしづらいであろう生徒さまに、実際の東京大学で使用されているシラバスを用いて、時間割を設計していただきました。その中で、大学生と高校生の生活リズムの違いや、空いた時間の使い方をイメージしていただいたり、大学の授業や学問に触れていただくなかで、幅広い学びを得られるという東京大学教養学部の魅力を伝えるとともに、大学生活をより明確にイメージすることで受験勉強のモチベーションにしていただくことを目的としました。

このワークショップは大学の学問の幅広さを知ってもらうとともに、自分の興味のある学問を探すきっかけにもなったと考えています。生徒さまは以前に比べよりリアルに大学生活をイメージすることができ、大学の学びに希望を持つことができたのではないかと思います。

【ワークショップ:みらいを見てみよう】

インタビューを通して自分の特性を振り返り、そこから将来したいことを考え、その実現のために大学でできることを考える企画でした。ただ受動的に大学に進学するのではなく、そこにどんな意味があるのかを自分なりに考えることを狙いとしました。普段行わないようなインタビューワークや個人ワークを取り入れることで、生徒様に楽しんでいただける企画となりました。

【ワークショップ:合格するのはだあれ?】

班対抗のゲーム形式で、受験アドバイザーとして仮想の高校生の勉強計画を作ってあげるにあたって、その高校生に聞くべき質問をできるだけ多く考えていただきました。その上で、客観的に考えた質問を今度は自分に当てはめ、自分に合った勉強計画を立てるために必要な自己分析をしていただきました。その上で、実際に自分に合った勉強法を考える時間を取りました。ゲーム形式で楽しんでいただくとともに、様々な観点から、自分に本当に適した勉強法を考えることの重要性を認識していただけたと思われます。

【ワークショップ:もしもし〜現役高校生が模試の問題を作ってみたら〜】

こちらのワークショップでは、普段は問題を解く側の生徒さまに問題を作る側になっていただくことを通して、①問題の性質や構造を知っていただき、問題を解く際にも生かしていただくこと、②自分で問題を作るという勉強法を知っていただくことを目指しました。

実際の活動では、少し難しい課題を用意しましたが、班のメンバーと協力しつつ、楽しみながら、目的であった問題の性質や構造の理解を出来ていたように見受けられました。こちらが予想した以上の創意工夫に飛んだ作問も見られ、期待していたより大きな効果が出たのではないかと考えています。

今回得た知識をぜひ普段の問題を解く側でもいかしていただき、またテストを作るという方法を通して楽しみながら学ぶことを継続していただけたらと思っております。

【ワークショップ:不安解消法を見つけよう】

受験生活に向けて漠然とした不安を抱いているであろう生徒さまに、不安を書き出していただき、その原因を徹底的に追求し、自分に適した方法を模索していただきました。東大生のアドバイスや班員同士の意見交換を通じて多様な視点を取り入れた上で、企画終了後も主体的に動くための背中を押すことを目的としました。

今回の企画では不安に対して原因を追求すること、様々な視点で分析してみること、実現可能な解決策を試してみることを伝えました。生徒さまは今後継続して受験生活に現れうる不安や壁に対して同様に実践していただけるのではないかと思われます。

【個別相談会】

班ごとに1人大学生がつき、生徒さまからの質問に大学生が答えてゆく形式での座談会を実施しました。また、途中で班につく大学生を入れ替え、別の大学生の視点からの回答も行えるようにしました。春の学校の最後の企画として、疑問を残さずに帰っていただくことを狙いとしました。生徒さまは東大生に疑問を直接ぶつける機会を通して、今まで⾃分の中に抱え込んでいた悩みや課題を解決することができたと思われます。

二日間の企画実施後、生徒様と最後の個別相談会などを通じて、コンセプトに込められた想いが生徒様一人ひとりにしっかりと通じたであろうことを確信いたしました。また、閉校式にて生徒様へ大学生から伝えた言葉を今もしっかりと覚えて活用してくださっていることを心より祈っています。