東大受験記

地方高校生に、追い風を

この記事では現役時をふまえつつ浪人時のことを中心に、受験のために東京にでてきた4日間ほどのことを話そうと思います。

僕の実家は大分県と福岡県の県境で、受験のときは飛行機で東京に出てきました。現役のときは新幹線を使ったのですが車内に6時間近くいることになり非常に疲れてしまいました。東京の雪が不安だったので2次試験2日前に出発しました。着いた日はホテルでゆっくりして移動の疲れをとって、翌日会場の下見に行きました。文系は駒場キャンパス、理系は本郷、弥生キャンパスが会場になります。僕は本郷キャンパスで受験しました。キャンパスが広い上に、当日は人がとても多くて地図と乖離してしまったり、迷ってしまうと無駄な焦りが生まれてしまうと思うので、実際に見ておいた方がよいと思います。キャンパスでは受験生用に東京大学新聞やキャンパス案内などいろいろ配布していて部屋で読んでいました。東京に行ってからはあまり勉強しませんでしたね。現役のときには焦って解けない問題に取り組んでまた焦ってという感じで失敗してしまったので、落ち着くために解きなれた数学の問題を数問とリスニングを軽くやりました。

試験当日僕は裏手にある龍岡門からキャンパスに入りました。入場門は受験番号で指定されていて、現役のときは正門から入ったのですが人が多くて一気に緊張してしまいました。受験生だけではなくラグビー部や応援部の人たちやコスプレをしている人もいて非日常的な雰囲気にのまれてしまいました。特に正門前にいたテレビカメラには緊張を助長させられて困りました。しかし、龍岡門には予備校の応援もなく受験生も少なくてかえって拍子抜けでした。

試験開始前には手足が震えてうまく名前も書けないほど緊張しました。僕はケアレスミスが多いタイプだったので、うまいことやってやろうというよりも大きなミスなく終えることを目標にして試験に臨みました。がやはり不安で帰りに解答速報を配布している予備校がありましたが受け取れませんでした。現役のとき苦手だった数学が存外うまくいったと思って受験1日目の夜電話で母親に合格を宣言してしまったら、2日目の朝、ホテルでトイレに座っていると自分の計算ミス(しかも2問)に気づいてしまい絶望から立ち直れず2日目の英語と理科が散々な出来になってしまったという経験があったので、正しい判断だったと思います。1日目の出来不出来は考えない方が気負わずにすむのでいいです。現役のときも浪人のときも知り合いが少なかったので、昼休みを自分の好きなようにつかえてむしろ良かったと思います。昼休みがかなり長いので、散歩に出歩いたり、昼寝して午後に備えたりしてリフレッシュしました。会場の部屋は換気性が悪いので外にでて頭をすっきりさせることとかならず開始前にトイレにいっておくことを心掛けました。

僕が宿泊したのは試験会場の本郷まで電車で一本でいける両国というところでした。実際天候や人身事故での電車の遅延は起こりうるので、試験会場に近いところに泊まるのがよいと思います。ホテルの部屋は乾燥していたのでのど飴をなめたり、風呂に水を張ったりしてしのぎました。あとはマスクですね。受験直前にのどを痛めてしまったのですが、龍角散のど飴で乗り切りました。すごいよ、龍角散。

一番東京でありがたかったのは付いてきてくれた父親の存在でした。東京にきて困るのは電車の乗換です。時間や路線の確認から地図の準備までやってくれていて、受験のことだけに集中することができました。東京を訪れた経験がほとんどない自分ひとりだったらどうなっていたか、考えると怖いですね。精神的にも父親がいることで安心できました。付き添ってくれる人がいたことは本当によかったです。

あとアドバイスするとすれば東大入試でははさみが必要ですが、空港で没収されないように気を付けてください。僕は筆箱にいれていて没収されてしまいました。(2020年追記:はさみは必要なくなりました。

受験会場ではほかの受験生が気になってしまうかもしれません。実際自分も周りの鉛筆の音や行動が気になってしまいました。雰囲気にのまれないために最後に大事なことは自分に自信がもてることだと思います。
(理科一類/大分県/公立/中津南/浪)