
はじめに
「東大を目指すのに、塾・予備校って通うべきなのかな……?」
そう悩んでいる読者の皆さんは少なくないはず。
ただし、いざ判断材料を探すとなった時、宣伝効果のことを考えてしまうと塾・予備校のパンフレットはどこまでが客観的な情報なのか分からないですし、周りの同級生はまだ成功経験者ではないので意見を聞くにしてもなかなか参考にしづらいですよね。
「現役東大生の生の声を聞きたい!」
今回は、そんな皆さんのニーズにお応えして、FairWindメンバー35人にアンケートをとり、受験生の時の塾・予備校の使用実態を調査してみました。
果たして現役東大生は塾・予備校に通っていたのでしょうか?
東大生の声 ~塾・予備校に通っていた東大生編~
塾・予備校に通っていたのは35人中24人でした。塾・予備校に通い始めた時期、通っていた場所、選んだ理由、そして通ってよかったと思うことについて聞いてみました。
塾・予備校に通いはじめた時期
塾・予備校に通い始めた時期としては、高校生以前からが6名、高校生からが11名、浪人生からが7名いました。(複数の塾・予備校に通っていた場合、それぞれ1人分として計算)
高校生から通い始めた方々の具体的な通い始めの時期としては高校1年生からが4名、高校2年生からが4名、高校3年生からが3名とほぼ均等に分かれ、特定の学年に集中しているわけではありませんでした。
人によって通い始めの時期は様々のようです。
通っていた塾・予備校
通っていた塾・予備校は、河合塾が7名、駿台が6名、東進が4名、鉄緑会が2名、代ゼミが1名、その他が6名でした。(複数の塾・予備校に通っていた場合、それぞれ1人分として計算)
こちらも特定の塾・予備校に集中している、というわけではありませんでした。
FairWindに所属する東大生のほとんどが地方高校出身であるため、塾・予備校の全国展開の規模によって結果が多少変わると思われます。
いずれにせよ、相性の合う塾・予備校というものは人によって異なるようです。
選んだ理由
①塾・予備校ならではの良さに惹かれた
体験入塾や講習会で塾・予備校の授業の楽しさに気づいた方が複数いたようです。
また、学校のカリキュラムと自分の学習スタイルが合わなかったため、塾・予備校がうまく補完してくれそうだったという声が聞かれました。
集団で受ける対面授業か個別で受ける映像授業のどちらが良いかという点については人それぞれのようです。
中には現役生の時と浪人生の時とで学習スタイルを変え、授業形態を映像から対面に変えた方もいました。
他には、地元での評判が一番良かったり地元で最も有力だったりする塾・予備校を選んだという声が聞かれました。
特に合格実績に注目した方もいました。
②通いやすかった
金銭面では授業料が安いところを選んだという声が聞かれました。
中には特待制度を利用したという方もいました。
また自宅からの通いやすさ、通学時間の良さを理由に塾・予備校に通うことを決めた方もいたようです。
③環境に影響された
兄弟、友達が多く通っていたという理由から周りに合わせて塾・予備校を選んだ方が特に多かったです。
(逆に周りが通っていたからという理由で選んだら大失敗だったという声も……)
中には兄弟揃って同じ予備校で浪人して合格したという経験談も!
また、地方ならではということで、そもそも選べる大手塾が限られていたという方が数人いました。
また浪人を経験した人たちからは、宅浪は親が許さなかったことや予備校に行けば勉強はさぼらないだろうという考えがあったとの声も。
④行く必要性を感じた
特定の塾・予備校を意識したわけではなくても、そもそも行くべき時期になったと感じたり、自分の勉強だけで受かると思えなかったりして自ら進んで塾・予備校に通うことを選んだ方がいました。
東大合格の一番の近道であると感じて通うようになった方もいたようです。
通ってよかったこと
①楽しく勉強できた
勉強を楽しいと思えたまま受験に臨めたことをあげた方が何人かいらっしゃいました。素敵ですね!
②授業・先生がハイレベルだった
地元の塾・予備校や高校では学べないような高いレベルの授業を受けられたなどといった授業の質の高さや、良い先生が授業してくれたり個性的で知識のある先生に出会えたりするなどの講師の良さについてあげる方がいました。
③塾・予備校ならではの強みがあった
高校のレベルがあまり高くないため高校で習う内容だけでは足りておらず、受験に特化した知識・戦略を学べた、勉強に関して信頼でき完全に身を任せられる情報源を得られた、自分で一から学んだらたどりつけない受験の心得や役立つ考え・東大の傾向などをサクッと手に入れられた、などといった塾・予備校ならではの強みを上げてくださる方が多くいました。
④質問できる環境だった
満足するまで講師に質問できた、質問できる環境があったという声も。
一見高校でもできそうですが、高校の先生方は時に事務作業や部活動の指導に追われ職員室にいなかったりしますよね。
塾・予備校では先生方は教えることに特化していますから、講師室に行けばほぼ必ず質問に対応してくれます。
⑤ライバルがいた
周りに競える人がたくさんいた、優秀なライバルと競えた、切磋琢磨できたなどといった声が多数寄せられました。
そのほか、高校には東大目指す同期・先輩がほとんどいないが塾・予備校に通うことで東大志望や東大生とたくさん出会えたという方や、周りのレベルを知ることができ、競争相手の実力が分かることで変に焦らなくてよかったという方も。
また、模試の受験者が多い、東大志望の人が多く集まって集中的に対策できたという声もありました。
⑥施設がよかった
校舎がきれいであることや学校が開いていないときでも自習室を使えるなど、施設面で充実していることをあげる方がいました。
⑦ペースメーカーになった
学校の授業進度が遅かったり部活が忙しかったりするなどの理由で、自分のペースに合う勉強ができる塾・予備校を選んだという声が聞かれました。
また、塾・予備校で深い理解で先取りができた人もいれば、自分で計画立てるのが苦手で塾・予備校に通うことで授業のペースに合う勉強をできたという方もいました。
中には生活リズムを保てたり勉強の習慣がついたりした方もいたようです。
⑧その他
塾・予備校に通うことで東大を目指そうと思えたと答えた方がいました。
また、映像授業で何回も授業を見ることができた、大手だが少人数指導で添削も丁寧にたくさんしてもらえた、良質なテキストを使えた、いろいろな大学の問題に触れることができたなどといった意見もありました。
まとめ
塾・予備校に通っていた方は、良くも悪くも周りの環境に影響されている部分があり、ライバルの存在を感じられるという点をよいこととして挙げている方が多かった印象です。
また、自分の学習スタイルとの相性やペースメーカーとしての塾・予備校の役割を挙げる方も数多くいました。
塾・予備校に通うかどうか迷ったら、まずは無料の体験授業を受けるのも一つの手かもしれません!
東大生の声 ~塾・予備校に通っていなかった東大生編~
塾・予備校に通っていなかった東大生は35人中11人いました。塾・予備校に通わなかった理由、塾・予備校に通う代わりに自分でしていた勉強、通わなくてよかったと思うことについて聞いてみました。
塾・予備校に行かなかった理由
①高校での勉強で十分だった
学校で東大対策の授業があったことから高校での勉強だけで十分だった方、塾に通わずにある程度の成績を保てていたため通う必要性を感じていなかった方がいたようです。
また、最低限高校で学んだことを問題演習に生かしていく勉強の方がレベルアップにつながると考えた方も。
②距離の制約があった
近所に大学受験の塾がないことなどから通学に時間をとられることを気にした方も多かったです。
また、地方ならではのこととして、東大を目指せるレベルの塾がなかったことを挙げた方もいました。
③塾のスタイルが嫌だった
塾に行く体力がない、勉強を強制されるのが嫌い、口出しされたくないなど、自分の生活習慣や勉強法と合わなかった方がいたようです。
塾・予備校に行く代わりにしていた勉強
①学校・通信教材に頼った
高校が提供してくれる東大対策の授業や過去問添削、Z会の東大コースの添削指導(過去問演習)をうまく活用していた方が多かったようです。
具体的な勉強法として、普段は学校から用意された課題や教材での学習に全力に取り組み課題と復習に時間をかけ、二次試験前は問題の形式や自分の得意・不得意を分析して自分に合った戦略を立てていたという声も。
中にはネットの情報はあまり見ずに、勉強法など分からないことはすべて先生に聞いたという方もいました。
②自分で頑張った
複数の塾・予備校の東大模試問題集や共通テスト実践問題集、東大の過去問など、市販の参考書・問題集を解いたり、ネットで情報を集めたりして自分で対策していた方もいました。
自分で課題を見つけて、それを解決することを繰り返していたようです。
塾・予備校に行かなくてよかったと思うこと
①自分のペースで勉強できた
塾・予備校のカリキュラムに沿わなくて良いことで、勉強を強制されず自分のやりたい勉強を自分のペースでのびのびとできたという方が多かったです。
中には、高校から提示される1種類の勉強法や参考書類を利用することで、どの勉強法や参考書類を採用するか悩んだりどの参考書に情報が書いてあるか探さなければならなくなったりすることが少なかったという方もいました。
また、塾で指定された勉強方法に縛られなかったことで自分に合った勉強法を見つける能力がつき、大学の授業でもその能力を活用することができたという体験談も!
さらに、勉強時間が他の人より少ないかもしれないと焦ったことがあったが、塾に通わなかったことには全く後悔していないという声も寄せられました。
②お金の節約になった
塾・予備校代を大きく省けることで教育費がおさえられたことを挙げる方も。
ご家庭によって状況は様々だと思いますが、金銭面に関しては慎重な判断が必要ですね。
塾・予備校に通うことを許可してくれた親御さんには、感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。
③時間を効率よく使えた
通塾時間が省けることで自学自習の時間などが増えたという方が数名いました。
塾・予備校の拘束時間は結構長いですものね……。
まとめ
塾・予備校に通っていなかった人は、学校の勉強だけで十分であるという人と自力で勉強できると考えたという人の大きく2つに分かれていました。
通わなくてよかった点としては、自分のペースでできる自由性や金銭や時間の制約をあげる人が多かったです。
東大生の中にも塾・予備校に通うことなく合格を勝ち取った人は少なくありません!
自分でできることもたくさんあります!
おわりに
塾・予備校に通うかどうかを判断するにあたって、その基準については個人差はあるものの、自分の学習スタイルとの相性の良さをはじめとした一定の共通点を見出すことができました。
塾・予備校の利用の必要性について、大学受験を終えたときに自分の選択に悔いの残らないよう、今回の記事を参考にしながらじっくり考えてみてください。
ただし忘れてはいけないのは、どのような選択をしたとしても勉強する主体は自分自身であり、自ら努力する姿勢を絶やさないことが大切であるということです。
挫折しそうになった時も、自分が東大を目指そうと決めた時の初心を思い出して、自分を信じて頑張ってください! 応援しています。