【メルマガ試し読み】二次試験各教科の対策(化学)

地方高校生に、追い風を

過去に配信されたメールマガジンの記事になります。東大生の生の声が綴られています。お楽しみください!(なお、執筆者の科類や学年は執筆時点でのものとなります。)


理科二類1年 H.N.

みなさんこんにちは。
入試本番が近づいてくるこの季節。みなさんどうお過ごしでしょうか?
今回は二次試験各教科の対策(化学)ということで、私なりのアドバイスと私が実際にやっていた試験対策について話していきたいと思います。

1. まずは己の敵を知る
「彼を知り己を知れば百戦危うからず」という言葉を皆さんはご存知でしょうか?
これは古代中国の兵法家・孫武の言葉で、
「敵の実力や現状を把握し、そして自分自身の実力もきちんと把握していれば何度戦っても負けることはない」という意味です。
これを受験に置き換えてみると
「受験する学校の問題の傾向や分量をしっかり把握して、自分の実力がどれぐらいなのかということを把握していれば本番でも焦らずに問題に取り組める」
というふうになるのかなと私は思います。
では具体的に何をすればいいのかということを文章にすると、
「敵を知る」という部分は、
・参考書などで過去問をみる
・過去3、4年の平均点・最低点を見て、各教科の目標点をセットする
「己を知る」の知るという部分は、
・過去問を解いてみてどれぐらいできたか確認する
・上の結果から自分の弱点を洗い出し、重点的に補強する
というふうになるかと思います。
なんだ、普段よく言われていることじゃないかと感じたかも知れませんが、よく言われることというのは結局大事なことだからよく言われるんですよね。
なので地道に取り組むことが一番の勉強法であると言えそうです。

2. 化学(理系向け)の対策について
先程は受験対策全体についての話をしましたが、今度は化学に焦点を絞って話していきたいと思います。
化学はほとんどの理系の人が選んでいる科目じゃないかなと思います。
実際今までのセンター試験においても化学を選択した人が一番多かったです。(化学基礎は生物基礎に負けてますがそれでも2番目に選ばれていました。)
なのでなるべく汎用性が高いアドバイスができたらいいなと思っています。
ここでは、理論化学・無機化学・有機化学という高校化学の分類にしたがってそれぞれの対策について述べていこうと思います。

1)理論化学
理論化学は他の分野と比べ計算が多く、難しい問題が出やすいので、苦手な方も多いのではないかと思います。
しかし、理論化学の問題は基本となる法則や式の定義、反応を完璧に押さえていれば、それらの組み合わせだけで解けるようになっています。
したがって理論化学の対策としては、
・基本的な法則・式・反応を完璧に把握する
・上の知識を使って速く正確に計算ができるように演習を沢山こなす
ということになります。
しかも、無機化学や有機化学の問題でも理論化学の知識を使うことは多々あります。
化学が苦手だったり化学の点数をもっと安定させたいという人はまず基本的な事項がちゃんと頭に入っているか確認しましょう。

2)無機化学
無機化学は理論化学とは一転して暗記が多い分野、というかほぼ暗記です。
問題もほとんどパターン化されていて、難易度もそこまで高くはなりません。
したがって無機化学の対策としては、
・暗記事項を完璧にする(聞かれたら反射で出るくらい)
ということしかいえません。
暗記が苦手だという人には少し辛いかも知れませんが、
逆に言えば暗記さえできれば無機化学で点を落とすことは無いとも言えますので語呂合わせや反復練習で頑張りましょう。
参考書などで出てくる語呂合わせがしっくりこないのであれば自分でオリジナルの語呂合わせを作りましょう。
あとくだらない語呂合わせの方が意外と記憶に残りやすかったりもします。

3)有機化学
有機化学は暗記と演習の割合が半々ですね。
二次試験の有機化学の問題は何か物質が出てきて、その物質についての実験の記述から物質の構造決定をしていくというものがほとんどかなと思います。
となると、実験結果から何がわかるのか(物質の官能基・分子量・分子構造など)ということがわからないと手も足も出ないですね。
したがって有機化学の対策としては、
・物質の性質・反応を完璧に把握する(実験の記述みてパッと関連する性質・反応が思いつけるぐらい)
・元素分析や分子量の計算の演習をする
という感じになります。
もし知らない物質が出てきたとしても、高校範囲で構造が求められるようなものしか出ませんので冷静に問題に取り組みましょう。

3. 筆者が実際にやっていた対策
次に、私が実際にやっていた二次試験の対策を述べたいと思います。
私は化学が比較的得意かつ物理が壊滅的でした(本番は17点でした。これでも良い方)ので、必然的に化学で点数を取らざるをえませんでした。
東大入試は理科が2科目150分ということもあって時間配分も大事になってくるのですが、前述した通り私は物理ができません。
なので物理に時間を割けるように時間配分を化学60分、物理70分、残りで見直しと飛ばした問題に手をつけるというように設定していました。
解く順番でいうと化学を先に解く派は少数らしいですね。
でも私は物理の方が時間がかかってしまうのでどうしてもこの順番じゃないと時間が足りませんでした。
なので本番で時間配分が狂わないように大問1つを20分で解くという演習をずっとしていました。
最初のうちは計算が間に合わなかったりで6、7割しか終わらなかったのですが、最終的に本番前の時期では20分以内で全問解けるようになりました。
当時使っていた参考書は赤本でした。赤本のいいところは分野別になっていることと年度順になっていることです。
これは大問を1つずつ解くという演習をしていた私にはとても有り難かったです。
ただ分野別に問題が分けられているので、年度ごとにまとめて解きたい人にはあまり向かないかなと思います。

4. 最後に
長々と書いてきましたが、私のアドバイスがこれを読んだ方全員に刺さるものだとは思っていません。
使えると思ったところだけ使ってください。皆さんが最後まで受験を走り抜けられるように応援しています。


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