↑ 実際の高校3年生の時の東大模試結果
みなさんは、模試でどれくらいの判定が出ていれば志望大学に合格できると思いますか?
毎日必死に勉強している受験生にとって、模試の判定は最も気になるものの一つです。「気にしすぎる必要はない」と言われても、「E判定」なんて書かれていたら絶望してしまうかもしれません。
今回は、そんな「E判定」から東京大学に現役合格した先輩の体験をお送りします。
はじめに
東大模試はほとんどD、E判定。一番良かったC判定も1回きり。本番1ヶ月前の東大模試もE判定。
そんな僕が現役で東大に逆転合格した体験を話そうと思います。ただし、あくまで僕の個人的な体験なので、こんな先輩もいるんだ〜くらいに思いながら読んでください。
東大とは無縁の中学生まで
中学生までは楽しく昆虫採取したり、陸上したり、遊んだりしていました。東大なんて名前は知っているくらいで、どれくらい難しいかすら分かりませんでした。受験というのも高校入試が初めてで、とても緊張したのを覚えています。
最初に大学入試について知ったのは、中学卒業後の春休み。中学のときに通っていた塾の先生から「今から九大に入ろうと思ったら、相当な努力が必要になる。この問題を見ろ」と言われて見せられたのは、脳科学について難しそうに書かれた日本語の文章でした。
「難しいだろ? これを3年後に解かなければならない。しかも、これは英語の問題だ。本当なら、この文章が英語で書かれている。普通に3年間過ごしてこれができるようになると思うか?」とめちゃめちゃに脅されました。
九大でこれなら、東大なんて目指せるはずもない。そう感じましたね。
大学入試や東大についてこんな印象を抱き、地元の県立高校に進学することになります。
東大を目指し始めた高校1、2年生
もともと勉強は得意だと思っていたし、そこそこ好きでした。1桁は無理だったものの、入学後すぐのテストでもそこそこの順位を取ることができ、とても嬉しかったのを覚えています。
自分よりも勉強ができる存在も多くいることを知って「怖いな」と思う一方で、そんな人たちと一緒に勉強できることにワクワクする自分もいました。
そして、1年生の7月の進研模試を迎えます。そこでも思ったよりも良い点数、順位をとり、「え?ワンチャン東大いけるんじゃね?」と思うようになりました。
そしてなんとなく「無理そうやなって思ったら下げればいいや〜」と思って、これから東大志望と書くことになります。
このときはまだ、本当に東大を受験して、ましてや合格することになるとは全く思っていませんでした。
陸上部や生徒会などもしていましたが、その勢いのまま定期テストでもそこそこの成績を取り、模試の成績も悪くありませんでした。たまにですが、東大A判定も取っていました。そんな高校1、2年生でした。
模試の判定に苦しんだ高校3年生
しかし! 高3になってからその状況は一変します。問題が解けないのです。センター模試や学校の定期テストはまだ太刀打ちできていました。
が、東大模試は全く歯が立ちません。部活動や生徒会も引退し、勉強に一生懸命打ち込んだのですが、うまく成績が伸びないのです。
点数も440点満点中150点~170点くらいをうろうろし、判定も10月に駿台の東大模試でC判定を1回とった以外は全てD、E判定、2次試験1ヶ月前の東大模試でも172点のE判定でした。
僕が合格できた2つの理由
そんな中で、どうして僕は二次試験本番で229/440点を取り、合格できたのでしょうか。自分なりに分析し、理由を2つ考えてみました。
1. 最後まで自分を信じ続けた
なぜかは分かりませんが、試験本番まで自分が落ちるとは全く思っていませんでした。試験が終わったあと「なんで受けたんだろう?」とは思いましたが、これで落ちても悔いはない! と思えるほどがんばれたので、後悔はしませんでした。途中で東大を諦めて阪大や九大を受けることもできましたが、東大を受験しました。
当たり前ですが、東大を受験しなければ東大に合格することはありません。最後まで自分を信じて頑張り続けたこと、それが合格に結びついたのではないでしょうか。
2. アウトプットし続けた
高校3年生の12月に入ったあたりから、ほとんどの勉強時間をアウトプットに充てるようにしました。具体的には過去問です。
僕は、毎回試験時間と同じ時間で問題を一度解き、その時間で解けたところまで印をつけて残りをそのまま答えを見ずにじっくりと解くというのを実践していました。
自分が満足できるまで解いたら、そこで初めて答え合わせ、解説確認です。数学や物理・化学の問題を1年分解くのに4、5時間もかけていましたが、そこまでしてから解説を読むと、なぜ自分が間違ってしまったのか、解けなかったかの原因がわかります。
時間が足りなかったのか、発想が足りなかったのか、計算ミスをしたのか、勘違いをしていたのか。それを踏まえてどうすれば次解けるかを考えます。
その発想を思いつくにはどういう思考回路を辿るのか、自分が計算ミスをしやすいところはどこでどうすればミスを防げるか、などなど。
結局大事なことは、自分がどこまで理解していて、実際にできて、これからどうすればいいかを明確にすることです。
これをすることによって、じっくり自分で考える癖がつき、本番でも自分の力を最大限に引き出すことができました。
また、模試では、数学や理科の途中式に点数が与えられないこともありますが、実際に受験してみて、本番では部分点も期待できると感じました。日頃から記述解答形式に慣れておくといいと思います。
実際に東大に入って
一言で言うと、本当に諦めなくてよかったです。
周りはレベルの高い友達、先輩ばかりで毎日刺激を受けています。そして、FairWindに入り、自分と同じような境遇のみなさんに少しでも協力できることがとても嬉しいです。
「地方高校生に、追い風を」という理念の通り、この記事が皆さんの追い風となれば幸いです。