FairWind企画の様子を特別公開【東大を知ろう】

地方高校生に、追い風を

ここでは、2020年11月28日に開催された FairWind東筑高校オンライン企画 から、4人の東大生によるパネルディスカッションの様子を文字起こしでお見せします!
普段のFairWindの活動をご覧いただくとともに、東大・東大生について知ってもらえたら嬉しいです。

※参加大学生はニックネームで表記しています。


今回のパネルディスカッションは「東大を、知る。」をテーマに、ネットで検索するだけでは分からないような東大生の生の声を届けた上で、東大の魅力をみなさんにお伝えします。現時点で東大に興味がある人もない人も、複数の大学を比較することが重要だと思いますので、ぜひ参考にしてください。


①東大で受けた一番面白い授業は?

私が東大で受けて一番面白かった授業は、情報認知科学ですね。この授業では、簡単に言うと見たり聞いたりのような、外からの情報を人間がどう受け取るか? について、科学的に学びます。ちょっと難しい話になってしまったので、分かりやすい具体例を取り上げますね!

例えば見ることについて。(ペンを示して)ここにペンが見えています。見えているってことは、ここにペンがあるってことですよね。でも、実はそうでもないかもしれない、目で見て分かることって意外と不確かかもしれない、っていうことをこの授業で学んでいきます。

皆さん、テレビでアハ体験の動画を見たことがありますかね。あれって、動画の一部が明らかに変わっていくのに、全然気づけないですよね。これも見ることによる情報の不確かさを表しています。それにアハ体験の動画を見るとき、画面全体に目をやっているかと思いきや、その時大抵の人は一部に集中的に目をやってしまっているんですね。よく見ていると思っても、よく見ていないというわけです。

さて、ここまで情報認知科学という授業で学習することについてお話ししてきましたが、実は今皆さんにも体験してもらっていました。(体を傾けて)実は私の背景、話している間に変わっていたんですね。ほらここ、「理科二類」が「理科一類」になっていました。このように、ある一部に集中していると、人間の目って分かりやすい情報も見落としてしまうんですね。そういうことを学ぶ授業です!

情報認知科学は、人の視覚や聴覚などが受け取っている情報の曖昧さに注目し、その機能について分析する学問ですね。これは高校の教科(国語・数学・英語……)の区別に囚われない学問だと思いますが、そのような新たな分野の学びはどのように捉えていますか?

とても楽しいです! この情報認知科学って、高校の科目のどこにもぴったり当てはまらないんですよね。そういうことを学べることは大学に入ったからこそですし、すごく満足度が高いです。


私が東大に入ってから受けた中で一番面白かったのは、ジェンダー論という授業ですね。おそらく東大1の人気授業で、初回の授業は850人くらいいました(普通多くても200人くらいです)。
毎回様々なテーマで講義が行われますが、私が一番気に入っているのは恋愛結婚の回です。教授が授業スライドに「早まるな、東大生」と表示して、在学中に「運命の人」を見つけようとしたり、今付き合っている人のことしか見えていなかったりする学生に喝を入れていたのは忘れがたいですね。

また、教授と学生のやりとりが盛んなのも、この授業の面白いところです。毎回学生は授業の終わりに「リアクションペーパー(リアペ)」というお便りを出して、次の授業のときに教授がそれに答えてくれるのですが、恋愛結婚の回の後には「今回の授業を聞いて、授業中に彼氏に別れを告げました」というリアペが来ていました(笑)

僕自身もジェンダー論の授業を受けていましたが、対面授業の時は高校生も浪人生も他大生も社会人も来てるという噂が出るくらいの人気授業でした。個人的には「イクメン」というワードに対して、先生が「育児は両親がどちらも協力して行うものだから、特別な言い方をするのは間違っている」と指摘していたことが印象に残っています。


僕が東大で一番面白かった授業は、アラビア語ですね。 え? アラビア語? って思うかもしれないですけど、東大ではかなり幅広い言語を学べるんです。アラビア語の他にも、例えばヒンディー語とか、ベトナム語とか、古代ギリシャ語まで学べたりします。

どうしてアラビア語を学ぼうと思ったかというと・・・やっぱ、かっこいいじゃないですか! あのウニャウニャしたミミズみたいな文字を読めるんですよ!? すごい!(背景がアラビア語になる)例えばこれは、アラビア語で僕の名前が書いてあります。あっ、アラビア語では日本語とかと違って右から左に読むんですね。ちなみに、僕は半年間アラビア語を学んで、なんとか「読める」ところまできました。意味はあんまりわかりません。

言語でいうと東大には本当にたくさんの言語の専門家がいて、それぞれの言語で最先端のことを学べるのは良いところですね。僕の知り合いには7か国語くらいの授業を受けていて、世界でもほとんど話されていない言語を学んでいる人とかもいます。第3外国語などの授業も豊富ですし、言語に興味がある人にとっては、東大はいい環境が整っているかもしれません。

Pくんはもう1個面白かった授業があるんだよね?

そうですね、欲張りなんでもう1個いいたいと思うんですが、それは「ぱてゼミ」という授業です。ぱてゼミって何かというと、ボーカロイド音楽論のことです。ボーカロイド音楽論と言っても、「初音ミクちゃんかわいい‼」みたいなことをする講義ではなくて、ボーカロイドという現代の最先端をいく1つの音楽ジャンルを通して、青年心理とか、哲学とか、さっきも出てきたジェンダー論について考えたりする講義です。

例えば、米津玄師さんはハチさんとしてボーカロイド曲も作っているんですけど、その米津玄師さんの曲に「lemon」 があるじゃないですか。その曲に「ウエッ」っていうところ、ありますよね。その「ウエッ」は何者なのか、ということを1時間かけて考察したり、他にも「人間はなぜ14歳で厨二病になるのか?」について考えたり、普通の講義ではなかなかやることのないであろうちょっとマニアックな授業です。

こちらも人気の授業ですね。みんなに人気の音楽を通して、その曲が人気になった背景にある社会問題を考えるという視点は、とても興味深いと感じました。

さて、ここまで紹介してきた4つの授業は、どれもなかなか高校時代では体験できないものばかりだったと思います。大学に入ると今の教科の枠組みに囚われない学問分野が多くあります。大学の授業はネットで公開されていたりもするので、楽しそうな授業を探してみると勉強のモチベーションにもなると思います。


②東京での暮らし

群馬県人寮暮らしです。上京してきた群馬県民が集まってます。

楽しい(はずだった)ところは、他の寮生との交流があるところです。今はコロナで他の寮生との関わりがほとんどないのですが、例年ならバーベキューなどのイベントがあったみたいです。
ただ、直接的な関わりはなくても、家に帰ったときに誰かしら人がいるのはやっぱりほっとします。楽ちんなところは、家事をほとんどしなくてもいいところです! 私の寮は朝夕 2 食付きなので、生活力皆無の私でも生きていけます。自分でやるべきことは部屋の掃除と洗濯くらいでしょうか。

大変なところは当番があるところですね。勝手に日程を組まれるので、自分の予定と合わないと代打探しに奔走することになります。それと、ご飯の時間帯もある程度決まっているので、寝坊したり遅くに帰ったりすると食事にありつけません。あと大きいのは門限の存在ですね。私の寮の門限は24時なのですが、友達と遊んでると余裕で超えそうになります……

大学生になると高校の生活リズムとはまた変わるから、意外と24時でも門限がキツかったりするよね。寮に住んでいる友人も一番大変なのは門限だと言うことが多いです。

その一方で、家で勉強したいときや体調を崩したときに助け合えるのは、アパートに住んでいる身としては羨ましいなと思います。


普通のアパートで一人暮らしです。

やっぱり、良いのは自由が格段に大きくなることですね。思い立ったらすぐに行動できる。美味しい蕎麦が食べたい! って思ったらすぐ外に行けばいいし、何か作ろうと思っても誰も邪魔しません。夜中に突然プリンを作り出すことも! 遊びの面でも自由が大きいです。実家勢は割と早めに帰っちゃうんですけど、一人暮らし勢は終電ギリギリまで遊んでいられるし、帰らないことも…!

楽しいことの裏返しで、「自由すぎて不自由」ということがありますね。自由になんでもできるけど、逆に何もしなければ何にも起こらない。ただ虚無を過ごすだけになってしまいます。授業に出て、家事をこなし、少し勉強するとあっという間に1日が終わってしまうこともあります。

確かに、大学生になったら洗濯機に服つっこむだけじゃ洗われないからね。でもその不自由さを補って余りある自由があると僕も感じます。


③サークルや課外活動

私は biscUiT というサークルと兼サーしています。これは東大女子のみで構成されるサークルで、フリーペーパー、つまり無料の雑誌を製作しています。記事案出し・調査・執筆・校正・デザイン、全て自分たちでやっています!

ここで少し宣伝です…! biscUiTは基本的に大学内の方向けの雑誌なのですが、実は2020年の春頃に「biscUiT高校生向け特別号」を製作しました。こちらから読めるので、ぜひ皆さん読んでみてください! 東大や東大の学生の雰囲気がとてもよく伝わると思います。

私はビジネスコンテストに参加しています。ざっくり説明すると商品・サービスのアイデアやビジネスプランを競うコンテストのことですね。

例えば私が参加しているBranCo!(ブランコ)というコンテストでは、「『普通』に関するブランドをデザインする」というお題が出されています。私たちのチームは、「普通」=「自分の持つ当たり前」と読みかえて、人それぞれ違う「普通」に価値を見出しました。そこから、価値ある「普通」を交換しあえるサービスがあるといいよねという話になって、コミュニティアプリの開発、というところにつながりました。

ちなみにもう1つ HultPrize(ハルトプライズ)というコンテストにも参加しています! これら2つのコンテストを通じて、「わぁ東大生だなぁ」と思えるような人たちとの出会いがたくさんありました。


④東大の魅力

自分の適性や興味がよくわからないまま高校生活が終わってしまいそうだったので、学部選びをもうちょっと先にしたくて、いわゆる「進振り」がある東大を志望しました。やりたいこと探しをする時間があったのが魅力でした。

東大は進学選択という制度を導入していて、これは大学に入学する時点では理科一類〜三類、文科一類〜三類と大まかに分けられてそれぞれの教養科目を受けます。その後、1年半たってから自分の行きたい学部学科を志望して、実際に専門的な学びを始めるという制度です。

実は今も学部は決まっていなくて、やりたいこと探しの途中です(笑) ただ、高校の時とは違って、なぜその分野に興味があるのか/ないのか、が明確になってきました。前期課程では幅広い分野の授業を取ることができて、それぞれの学問に対して持っていた先入観を取り払ったり、名前だけ知っていた学問の知らなかった側面を知ったりできたのが大きかったですね。

僕もやりたいことがあんまり決まっていなかったので、東大でいろんな経験をしたいと思っていました。僕は高3で、血がむりだとわかって、周りのノリもあって医学部志望から軽いノリで文転したんですけど、こんなに簡単に志望が変わって本当に文系で大丈夫か? という不安がありました。そういう意味でも東大は魅力的でしたね。あとシンプルに都会に出たかったのもあります!

理系と文系両方の授業をとって半年たちましたが、僕は今のところ経済に興味が出てきました。受けた講義の中には、最近のコロナ情勢に絡めて、コロナによる経済的損失はリーマンショックやバブル崩壊と比べてどうか、といった話や、医療と経済のバランスはどうするべきか、などの話がありましたね。まあ文系で良かったかなって感じですね。僕は元から数字が好きだったんです。どれくらい好きかというと、小さい頃の愛読書が電話帳でした。そんな感じで、今のところ経済学部に進学したいなーと思っています。

高校時代は、東大生という地元の鹿児島では出会えないような人たちとたくさん交流してみたいと思っていました! 高校生の頃の私は、東大というのは「びっくりするくらい頭のいい人」や「東京のシティボーイ・シティガール」がゴロゴロいるところ、というイメージを持っていたんですね。そんな人たちと出会って、お話しして、刺激を受けることを楽しみにしていました。

大学に入ってからは、高校時代の希望通りたくさんの東大生と交流することができました。そうした中で気付くのは、一口に東大生とは言っても、その中には本当に色々な人がいるということです。
例えば、高校生の頃のイメージと違ったタイプの人というと、「せっかくの大学生活だからこれまで極めきれていなかったことを極めよう! と一念発起して趣味のダンスやマイナースポーツに力を注ぐ人」などです。それから、試験で高い点数を取るためではなく、純粋に学問が大好きでたくさん勉強している人もいます。

そのような人たちとお話しする中で、東大の中でもこれだけのバリエーションのある人たちと交流できるのだから、今後は学外にも目を向けて、「東京でしか会えなかったであろう人」「東大に在籍できたからこそ出会えたであろう人」とたくさん接していきたいな、と思うようになりました!これからは、お話ししてみたい、関わってみたいという人を見つけたら積極的に動いていきたいと思っています。


まとめ

ここまで様々な話をしてきましたが、なかなか調べただけでは分からなかったという情報も多かったと思います。ぜひ大学選びのときは、東大に限らずこういった生の声を聞いた上で比較検討してみてください。また、大学選びで受動的に情報が入ってくることはほとんどありません。各大学で様々な情報がHPや冊子などで発信されているので、そのような情報を能動的に探す意識を持ってみてください。
東大だと金曜特別講座や、キミの東大などが参考になると思います!


質疑応答とその回答

1. biscUiTの活動内容について、詳しく教えてください!

biscUiTの活動内容について、ご質問ありがとうございます!
biscUiT では例えば、世界で活躍する東大OGさんに女性のキャリアについてインタビューをしたり、東大内の女子学生比率は2割を超えたことがないという問題に対する学生の声・先生方の意見を特集したりしています。自分たちがそのとき調べたいテーマについて自由に掘り下げられるのがこのサークルの魅力ですね!

2. 進学選択制度では、誰でもどの学部に行けるのですか?

概ねどの学部でも行くことができると思います。

ただし、例えば文系の生徒が理系の学部に行きたいというときは必ず実験の授業を受けないといけないなど多少の制約はあります。また、最終的には成績順で決まっていくので、人気の学部学科に行くには大学に入ってからも良い成績を取る必要があります。一年の頃から専門をバリバリできるわけでは無いので、志望が固まっている人にとっては少し不自由に感じるところもあるようです。