精密工学科〜機械系学科へのススメ〜

地方高校生に追い風を

精密工学科〜機械系学科へのススメ〜

1. 精密工学科とは

こんにちは!
ここでは精密工学科がどんな学科かみなさんに紹介します!

うちの学科はRT(ロボテク)とPT(プロテク)の2つを大きな軸として教育が行われています。

ロボテク(Robot Technologies)とはみなさんがイメージするロボットの開発はもちろん、ロボットの動きを制御する制御工学や、動きを感知するセンサ工学など、機械を人間の意思の通りにコントロールしようとする学問のことを指します。一方プロテク(Production Technologies)とは、コンピュータによる設計技術、高い精度で原料を加工しようとする加工学、材料の長さや大きさを正確に計測しようとする計測学など、製造技術の高度化、デジタル化を目指す学問のことを指します。

これらは密接に関わっているものであり、この2つを基礎からしっかりと教えることで、将来社会で活躍する人材を育成している学科です。


2. 授業紹介

さて学科の説明は以上ですが、ここまでではまだどういうことを勉強しているのか、あまりイメージがついていない人も多いのではないかと思います。そこでみなさんには僕が受けた授業の中から個人的に面白かったものについて紹介させてもらいたいと思います!そこからどんなことをやるのかイメージを持ってもらえたら幸いです。


a. 精密計測工学

小さなものを加工したいときにはそもそも長さを正確に測る必要があります。しかし物を正確に知り、人に伝えるためには知識が必要です。その知識を学ぶのがこの授業になります。
例えば同じ10cmという結果でも、1cmごとに目盛りが書いてある定規を使ったのか、それとも0.001cmごとに目盛りが書いてある定規を使ってちょうど10cmだったのかではその長さの正確さが全然違いますよね。

普通に日常生活を過ごす分にはそんな違いは気にしなくても問題ありませんが、精密機器を作る上では0.001mm単位での高い精度の加工が求められます。そしてその精度の小さなものを作る時に、前の工程で1cmごとに目盛りが書いてあるような荒い定規で材料を測ってたら、精密な機械は作れませんよね。

じゃああらゆる製品を最大限正確に測ればいいかというと、そんなことはありません。正確に測ろうとすればするほど手間もお金もかかるので、1つの製品を作るのに必要以上のコストがかかってしまいます。

そのため必要なのは「適切な精度の計測を行うこと」「よりよい計測の方法を追求すること」なわけです。
この授業ではそういう計測に関わる事柄を学びます。

ここまで聞いて「面白くなくね?」と思う人もいるかもしれません笑。実際僕も授業を聞いているだけではいまいちピンとこないし、面白くないと感じることもありました。
しかし実際の加工機械を見学させていただき、この考え方が非常に重要なものとして取り扱われているところをみて、この授業の必要性を理解し、非常に奥が深い面白い分野だと感じることができました。

高校生のみなさんはこの授業の説明を聞いて、「この分野面白そう!」って感じてもらう必要はありません。(もちろん面白いと感じてもらえたらそれに越したことはありませんが)ただ機械系の学問を受けるためにはこのような学問を学ばなければならないってことを知ってもらえればいいのかなと思います。


b. 画像処理工学

こちらは今話題のDeep Learningとかと関連して非常に人気な学問です。
この分野では「画像をどのようにして加工、処理するか」ということを学びます。

例えば写真を撮って取り込んだ時、様々な理由で綺麗に取り込むことができないことがあります。カメラを持つ時の手ブレ、写真を電子データに変換する際の他の電気部品からの悪影響etc。これらの綺麗に取り込む上での悪影響を「ノイズ」といいます。このノイズがどういうものかを理解すれば、逆にそのノイズを消す方法も考えることができますよね。そうやって綺麗な画像を出力しようとするのがこの分野です。

また他の例としては、画像の加工技術について学びました。ぼかしや彩度の強調や、輪郭を強調などといった画像を加工する技術は皆さんにとっても身近な技術だと思います。そういった技術の基礎もこの授業で習うトピックの一つです。

この授業は別の授業で習ったプログラミングの技術も活かすことで、実際に画像処理を体験してみることができます。自分で作ったプログラミングで、画像を白黒画像に加工したり、画像を半分鏡に映したような画像に加工できたときは嬉しかったです。


c. 精密工学実践演習

工学の醍醐味である「実際に何かを作ってみる」ということを体験する授業です。この授業の場合はテーマが3種類に分かれていて、それぞれのテーマについて専門の先生の指導のもと、実習に取り組みます。

1つ目のテーマは倒立振子という自分の傾きや移動距離を認知して、倒れないようにしながら前に進む簡単なロボットを作りました。(倒立振子については説明するよりも検索してくれた方がイメージがしやすいと思うのでぜひ検索してみてください)

このテーマでは電気回路を組み立てるところから、傾きを認知してモーターの回転を制御するプログラムを書くところまで全て学生がやります。他の授業で電気回路の仕組みや、速度や傾きを元にモーターの回転数を考える考え方の基本は学んでいるので、その学んだことを生かせる授業となっています。実際に自分が組み立てたロボットが思い通りに動いた時は本当に感動できます。

2つ目のテーマは生体信号を計測する機器を製作しました。この機器は人の脈拍を確認するものです。脈拍を電気信号に変換するのですが、脈拍は非常に小さなもので、機器の都合上ノイズも入りやすいため、ノイズを減らしつつ電気信号を大きくすることが求められます。その機器を実現するためにグループでどんな回路にするのがいいかを話し合いながら機器を実現させました。

3つ目のテーマは金属加工、組み立ての演習を行いました。金属を誤差0.001mm単位で精密に加工するには特殊な加工技術が必要です。その特殊な技術を実際に見学したり、金属加工をする際にはどのようなことに気をつける必要があるか、ということを演習を通して学びました。

どのテーマも前提となる知識は別の授業で習っているのですが、いざ実際に使ってみるとなるとなかなか難しいものでした。しかし実際に使うことでよりその分野についての理解が深まり、学習意欲も向上しました。
「工学」という学問はものを作るためにある学問です。そのためこうやって実際にものを作る体験ができることは非常に貴重な経験でしたし、何より楽しかったです。


3. 最後に

以上が授業の説明となります。
これを読んでくれたみなさんが精密工学科の生徒が日々どんなことを学んでいるのか少しイメージを持ってくれたら幸いです。これを読んで興味を持ってくれた人は大学の機械系の学科を調べてみるといいと思います。きっとあなたの興味にあった学科を見つけることができると思います!

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