東大に入って良かったと思うこと 〜友人編〜

はじめに

「どの大学に進めばよいのだろう……?」

これは多くの高校生にとって、重大な悩みとなっていることでしょう。

4年間の大学生活は自分の将来に大きく関わるだけに、悔いの残らない選択をしたいですよね。

私も高校時代、皆さんと同じように沢山悩みました。

悩み抜いた結果、最終的に東大受験という他より険しい道を行く決意をし、日本最高レベルの受験を突破するための勉強に励むことになったのですが、私は現時点で東大に入ったことを一ミリも悔いていません

こんなにも自信を持って言えるのは、今、私の大学生活が充実していると実感できるからです。

そしてこの充実感の最も大きな理由は、自分が友人に恵まれていると感じられ、友人との関わりを楽しめていることだと思います。

今回はそんな私が、どのような点で友人に恵まれている、また友人との関わりが楽しいと感じているのかについて、「東大に入ってよかったと思うこと〜友人編〜」と題しご紹介していきます。

多彩な人に出会える!

まずは、バックグラウンドが多様で面白いこと。

国公立大学は様々な地域から学生が集まってくるのが一般的ではありますが、中でもとりわけ日本全国から集まってくるのが東大です。

特に地方の高校生を応援するという活動理念を持つこのサークルでは地方出身者率が高く、地元トークに花が咲くこともしばしば。

友人達と地元トークをする度に、同じ日本でも文化や方言などこんなにも違うものなのかと驚かされ、とても興味深いです。

地域的な背景のみならず、東大に入るまでの経緯も様々です。

一年に東大合格者を何十人も出すような都心の中高一貫の進学校で中学の時から東大を目指していた人もいれば、地方の高校からただ一人で東大に来た人もいます。

高校時代から噂に聞いていた、都心の進学校の子は「なんとなく」や「友達がみんな行くから」で東大に入るというのが本当だったと知ったときは、地方の高校とのレベルの違いを突き付けられ畏れ多さを感じました。

ですが、逆にそのような子達からすると、地方からわざわざ東大を目指す方が「何で?」「すご!」と思うらしいです。

また、仮面浪人したり一度社会人を経験してから大学に入り直したり、といった少し変わった経験をしてきた人が多いのも東大の特徴です。

このように様々なバックグラウンドを持つ友人達と話していると、自分がこれまで見てきたのは世界のほんの一部に過ぎなかったのだ、と心の底から感じます。

こんなに考え方が合う人、初めて出会った!

二つ目は、価値観が合う人が多いこと。

バックグラウンドは違えど、全員が東大を志して入ってきた同志といえます。

そのためか、話していてもどこか価値観が合うな、考え方を理解してもらえているな、と感じる事が多いです。

私は高校時代、授業に全集中、出された課題は丁寧にやり、小テストや定期テストは毎回満点を取るつもりで勉強していました。

私が偉いからとか真面目だからという訳ではなく、この方法が最も効率的だと思っていたからです。

授業内容を理解していないと復習の時に自分でゼロから始める必要がありますが、授業で多くのことを吸収していれば理解する過程を省けるので復習の効率が格段に上がります。

課題や小テストもどうせやらないといけないのだから、自分の力を伸ばすために利用しないのはもったいないです。

ですが、この理論は高校の友達には中々理解されませんでした。

ただ効率が良いからやっているというだけなのに、
「やっぱり〜は真面目だね」
「私とはレベルが違うからそれができるんだよ」
といった言葉ばかりが返ってきました。

一方、大学入学後にこの勉強法を話すと、友人からの反応が全く違いました。

「絶対にその方がいいよね」
「マジでわかる!」
共感を得られる事が多くなりました。

FairWindのメンバーが高校生に自分の体験談を話したり勉強法をアドバイスしたりするのを聞いていても、自分と同じように学校の授業や課題を大切にするのが一番効率的、と考えてやってきた人が多く、自分の考え方が決して特殊なわけではないことがわかり安心しました。

また、私は大学のクラスで「こんなに考え方合うことってある?!」というくらい価値観が似ており、一緒にいて良い意味で全然気を遣わなくてよい友達にも出会えました。

このように、友人と話していて考え方や価値観が合うな、と感じられる場面がこれまでと比べて圧倒的に多く、とても居心地が良いです。

東大生、やっぱりみんな凄い!

三つ目は、「凄い!」と心から思える人が周りにゴロゴロいる環境で学校生活を送れること。

高校までは、プレゼンに対する質疑応答や英語のディスカッションのような場でなかなか発言する人がいないのが普通でした。

しかし、私が東大で参加した授業では、そのような場面で教室が静まり返るのではなく、多くの人が積極的に挙手発言活発に議論が交わされていました。

この様子を見た時、改めて「東大にいるのだな」と感じました。

また、普段勉強していないように見えてテスト前にはきちんと仕上げてくる友人達を見て、「さすが東大生だな」と思います。

友達に対する尊敬の念は勉強に限ったものではありません。

私が短期留学に行った時に印象的だったのは、現地の学生に大学や街で積極的に声をかけ一緒に観光や食事に行っていた子たちです。

英会話力だけでなく高いコミュニケーション能力優れた人間性積極性向上心がなくてはできないことでしょう。

他にも運動系サークルの練習に週5で行きつつ学業成績も優秀な人や、プラントベース食材を使った料理を自分で研究し作っている先輩など、感銘を受ける点は挙げればきりがありません

私が東大を志した理由の大きな一つとして、レベルの高い仲間たちに囲まれた生活への憧れがあったので、実際に尊敬できる友人たちが周りにいる今の生活は本当に刺激的で楽しいなと感じます。

本当にすごい友人達だけど……

でも、そうはいってもなんだかんだみんな普通の大学生なんです。

これが実は私が友人について一番好きな点かもしれません。

「東大生が本当に普通の大学生なの?」
と思ったかもしれません。

最強の頭脳を持った天才。
自分とは違う世界で生きている雲の上の存在。

今までそんなイメージを持っていた人も多いでしょう。
それならぜひ一度東大生と話してみてほしい。話せばきっとわかります。

確かにテレビやメディアで取り上げられる東大生は、頭の回転が早いクイズ王やただならぬ知識量を誇る秀才といった人が多いですが、実際そんな東大生はごく一部

大多数は周りより少し勉強への興味が大きかったり、物事を要領良くこなすのが得意だったり、努力してきたりしただけで、あとは世間一般の大学生となんら変わりのない普通の大学生です。

一人暮らしで完全に夜型人間になってしまい、2限に遅刻したり。
自習するつもりでも結局友達とのお喋りが楽しくて勉強が進まなかったり。

サークルに打ち込みすぎて単位を落としてしまったり。

単純に勉強へのやる気が起きなくて単位を落としてしまったり。

高校の時の勉強への集中力とやる気はどこへ行ってしまったんだろう、という話にもよくなります。

もちろんこれらに全員が当てはまる訳ではありませんが、東大生にもそんな一面があるんです。

恋バナが大好きで、彼氏彼女の話になると急に食いつきが良くなったり、気になる子との距離の縮め方を真剣に悩んでいたりもします。

このような話を聞くと、
「なんだ、東大生も他の大学生と変わらない、普通の大学生なのか」
と思いますよね?

そうです、私たちは決して手の届かない存在などではなく、普通の大学生集団なんです。

おわりに

ここまで、私がどのような点で、東大に入ってよかったと感じているかについて、友人にフォーカスしてお話しさせていただきました。

私にとって、大学での友人との関わりは間違いなく自分の大学生活を充実させてくれている存在です。

私は東大に入ったことで、本当に凄いけれど、本当に普通の友人たちに囲まれて生活できています。それだけでこの大学に来て良かったな、と今心から思えています。

出身も経験も趣味も多様な仲間や、驚くほど価値観が合う親友、心から尊敬できる友人達。

皆さんも東大に入ればきっとこんな素敵な人たちに出会うことができるでしょう。

地方から東大を目指すのは多くの受験生にとって決して楽な道ではありませんが、きっとその苦労以上に多くのものを得られると私は確信しています。

皆さんのことを心よりお待ちしております。