【地方から東大へ】苦難の先に「地方出身だからこそ」得られるもの

はじめに

みなさん、こんにちは! 私たちFairWindには、様々な苦難を乗り越え、地方から東大合格を勝ち取ったメンバーが多く在籍しています。

地方高校生が抱える教育格差の解消に貢献すべく、様々な活動を行っています。

この記事では、地方から東大を目指し、そして東大生として過ごしたことで感じることのできた、いくつかの大切なことについてお伝えします。

「東大を志望したいけど、様々な悩みや不安から迷いが生じている......」という方もなかにはいるかもしれませんが、この記事がそんなあなたを少しでも後押しできたら幸いです。

私が東大に合格するまで

本題に入る前に少しだけ、東大に入るまで私がどういう進路を歩んできたのか、について書こうと思います。

きっかけは中学時代

始まりは中学3年生のとき、進路の先生に県立トップの進学校への進学を勧められたことでした。

校内での成績は良かったものの、なんとなく地元の普通科高校に進もうと思っていたので、とても驚いたのを覚えています。

それから、「レベルの高いところを目指しておけば損はない」と考えるようになり、自分でも納得して進学を決意しました。

しかし、その高校に進学した人は同級生にも先輩後輩にも1人もおらず、受験期から進学直後にかけては“孤独”という大きな不安を抱えていました。

比較的恵まれた高校時代

そうして1人乗り込んだ高校では、十数人の東大志望仲間に恵まれ、皆で競い助け合いながら学びました。

また、県トップレベルの進学校ということもあり、東大という選択肢は意外と身近にあって、受験に向けても、地方ならではの苦労はさほどありませんでした。

この2点は、私の中学時代とは大きく異なっていました。

私が東大を目指した理由はというと、「とりあえず一番上」「進学選択によって学部決定までの猶予を延ばせる」「東京に行って一人暮らしがしたい」などでした。

どの動機も、どちらかというと消極的なものばかりでしたが、一浪してなんとか合格しました。

地方から東大を目指す上で立ちはだかる障壁

それでは私の体験談から、まずは地方から東大を目指すことの難しさについて考えていきます。

“上”を目指すきっかけが少ない

私の場合、もし先生からの提案がなかったら、深く考えずに地元の高校・大学へと進んでいたことでしょう。

東大という存在は知っていても、東大が現実的な選択肢へと降りてくるきっかけがないので、地方から東大を目指してみよう! とはならないでしょう。

そのきっかけは、先生からの提案、友達や先輩の影響、学校主催の東大見学やセミナーなど色々とありますが、その最初の体験をしにくいことが、1つの大きな障壁だと私は考えています。

この記事を読んでいる皆さんは、この壁はすでにクリアできているので、それだけでも少し恵まれているといえるかもしれません。

東大に対する認識のズレ

地方高校生の多くが「東大なんて目指せない......」と思ってしまうように、周りの人も東大や東大進学に対して偏ったイメージを持っていることがしばしばあります。

たとえば、なかなか成績が振るわなければ、「東大は諦めた方がいいんじゃないか」「志望校のレベルを下げなくても大丈夫なのか」などと、応援してもらえなかったり、過敏に心配されたりもするでしょう。

その原因の一つには、東大受験の難しさを具体的にイメージできないことが考えられます。

偏った情報によって作られたイメージ、東大合格までの差を掴みづらい校内での成績。

そのせいで、家族や先生ですらも、可能性の芽を摘んでしまうことがあります。

他には、政治家や官僚、ノーベル賞にクイズ王、東大生の誰もがそういう成功を収めるわけでも、その限られた道だけを目指すわけでもないのに、変な想像をよくされました。

東大受験自体は応援されても、自分だけの「なぜ東大に行きたいのか」をあまり分かってもらえないこともあります。

これ以外にも、受験対策の不十分さ積極的な進路情報取得の必要性など、「地方ゆえの障壁」を皆さんも感じたことがあるでしょう。

地方から東大を目指すことで得られたもの

いよいよ、地方から東大を目指して私が何を得たのかについていくつかお伝えしていきましょう。

“地方”に限らない「東大に入ってよかったこと」については、特集した記事を今後公開予定ですので、そちらもお楽しみください。

東大を目指すという決断の重み

志望大学決定は、人生の中で大きな分岐点です。まして東大を目指すことは簡単に決められるものではありません。

モチベーションを保ちながら継続的な学習をする覚悟を決め、周囲を説得し、「本当に東大がいいのか」と自問自答をしながらやっと決意が固まるものだと思います。

身の回りに東大志望者が少ないなら、なおさら覚悟が必要です。

そうしたあなたが下した決断は、自分の将来について十分に考えを尽くした証です。

それからも、決していいとはいえない学習環境の中、自ら工夫しながら対策を進める必要があるでしょう。

仮に望んだ結果が得られなかったとしても、その決断の重みを噛みしめながら挑戦し続けたことは、きっと自分の大きな武器になり今後も役に立つでしょう。

周囲からの支えのありがたさ

そうして東大志望を貫いたことで、気づけたことがもう一つあります。

それは、周囲からの期待・応援・サポートのありがたみです。

たとえば、親には生活面のサポート、先生にはマンツーマンで勉強面のサポートをしてもらい、同級生とは貴重なライバルとして切磋琢磨し、親戚からはちょっと多めにお年玉をもらい(?)。

期待されるといっても形や程度は色々で、ときにはそれが重圧となって気が滅入ってしまう、そんな人も当然いると思います。

ですが、東大合格は絶対に一人では成し得ない、と度々気づかされた私は、「あとで必ず恩返しをしよう、まずは合格を勝ち取ろう」と奮起することができました。

また、私は周囲に対して東大を志望すると公言することで、逃げ道を断とうとしましたが、それが思わぬ勉強のモチベーション維持に繋がりました。

というのも、東大志望と言うと、家族、友達、先生、親戚に近所の人まで、すぐに噂が広まって、周囲から勝手に期待されてしまいがちでした。

だったら、自分の夢を叶えるついでにその期待に応えられるなら、それが一番だ! 」そう考えるようになったことが理由でした。

自分の学びたい学問を、ずっと深く学べる

東大に進学すること自体にも、数多くのメリットがあります。

私が強く感じているメリットは、東大の学部学科/専修の豊富さです。

たとえニッチな学問であっても、それを専攻している教授が複数いて、学科として独自のカリキュラムで多角的に学べる場合があります。

実際、私が進学した都市工学科というところも、他では建築学科の一研究室に留まっていることが多いのですが、東大では一つの学科として独立し“都市工学 × 〇〇” と様々な分野から学ぶことができます。

私は東大に入ってから都市工学という分野があることを知りました。このような非常に幅広い選択肢から、自分の行きたい学部学科を選べるというわけです。

これは、旧帝大をはじめとした地方の総合大学にもそうそうない魅力でしょう。

加えて、教授の専門も多岐に渡り、その道のパイオニアや最先端をいく教授も多いので、「〇〇研究室に入るために東大を目指した」という人もよく聞きます。

このように、「だから東大に行きたいんだ! 」という自分だけの理由が何かしら見つけられていると、これからの勉強も少しは苦ではなくなるのかなと思います。

おわりに

最後まで読んでくださって、ありがとうございました! 

この記事を読んで、

  • 自分と同じような境遇からでも東大を目指す価値があるんだ
  • まだ知らない東大の魅力について調べたり、自分の志望理由についてもう少し深く考えてみよう
  • 周りの方々に感謝しながら、これからもめげずに合格目指して頑張っていこう

こんな風なことを思ってくれたならとても嬉しいです。

他にも、FairWindメンバーによる記事がたくさん公開されるので、気になったらそちらも読んでみてください。

みなさんの今後が少しでもよりよいものとなっていくよう、応援しています。