オープンキャンパス体験記 〜魅力を肌で感じて〜

はじめに

こんにちは。大阪の四天王寺高校出身のM.Hです。私は、学校推薦型選抜で東京大学農学部に合格し、現在は理科二類の1年生です。

私は高校3年生の時に東京大学のオンラインオープンキャンパスへ参加しました。その際の体験をこの記事にまとめています。

この記事を読んでいる皆さんはどのような方でしょうか。

  • 東京大学を目指して受験勉強に勤しんでいる受験生
  • 東京大学に憧れの念を抱いている中高生
  • 色々な大学のオープンキャンパス情報を収集している中で、偶然、このFairWindの記事にアクセスしてくれた方

それぞれの思いや理由を持って、「東大」もしくは「オープンキャンパス」に興味を持っているはずです。

しかし、「東大のオープンキャンパスに参加するなんて…...」と二の足を踏んでしまう方も多いのではないでしょうか。私自身、初めて東大のイベントに参加するとき、東大生は雲の上のような存在で、気後れしていた記憶があります。

でも、興味を持っている「今」が行動を起こす絶好のチャンスです。この貴重な機会を皆さんが逃さないでほしい、という思いのもと、この記事を執筆しましたので、最後まで目を通していただけけると幸いです。

オンライン開催のメリット

私が、参加した昨年度は、全てのイベントがオンライン開催でした。今年度も同様の形態です。

初めてオンラインで大学のイベントに参加する場合、不安視する声も多いと感じます。

  • 大学の雰囲気を知ることができないのでは?
  • 学生と直接、コミュニケーションを取ることができないのでは?
  • オープンキャンパスが受験前の大学へ足を運ぶ唯一の機会なのに......

しかし、オンライン開催のメリットを最大限活かせば、現地開催以上に充実した2日間を過ごすことができます。

自分のスケジュールに合わせやすい

首都圏以外に住んでいる方は、容易に上京することはできません。現地開催であれば、金銭面・時間面でかなりの負担がかかってしまいます。さらに、複数のイベントに参加することが難しい場合もあるでしょう。

しかし、オンライン開催ではこれらの制約が取り払われるうえに、オンデマンド配信も行われています。そのため、各自の都合に合わせて、柔軟なスケジュールを組むことができます。

また、東大志望者以外も気楽に参加しやすいため、本当に多様な中高生が集まっていた印象があります。

有用な情報を沢山得られる

複数のライブイベントオンデマンド配信を組み合わせることで、ホームページや大学案内のパンフレットだけでは伝わりにくい、多角的に見た東大像を掴みやすいと実感しました。

また、各イベントの質疑応答の時間では、Zoomのチャット機能を利用することもできます。自分から初対面の方に話しかけることが苦手な私でも、疑問点を解消することができました。特に、以前から興味を持っていた研究室の先生から直接、回答を頂けたことは、非常に印象に残っています。

私が参加したのは、大学・学部紹介講演・交流「農学系女子最前線」、「農学の枠を超えていく『地球医』になろう!」です。その他各種模擬授業への参加も検討していましたが、残念ながら定員オーバーで、申し込むことができませんでした。

このように、私自身の経験は、限定的なものとなりますが、どのような企画へ参加しても、共通して得られることを皆さんにお伝えします。

参加までの心境

昨年度のオープンキャンパスが開催された時期は8月上旬です。当時の私は、スケジュール面でも精神面でも余裕のない状態でした。

7月中旬頃に学校推薦型選抜の募集要項が発表され、推薦入試へ向けた資料作成などの準備が本格始動し、高校の先生方からも全面的にサポートしていただいていました。一方、一般入試の方では、2週間後に迫った初めての東大模試へ向け、東大レベルの演習を進める中、緊張感も高まっていました。

このような状況で、楽しみにしていたはずのオープンキャンパスが近づくにつれ、志望校が決まっているのだから、こんなに忙しい時にオープンキャンパスに時間を割く必要がないのでは、と参加に前向きな気持ちがしぼんでいました。

さらに、頭の片隅では、「これまで、自分のやりたいことを達成するために、東大を目指していたけれど、本当にそうなのかな」という思いがよぎることもありました。しかし、東大も含め、様々な大学のパンフレットやホームページを開いても、得られる情報はこれまでと変わりません。志望した当初に感じていた東大ならではの魅力を見失ってしまい、東大へ行きたいという思いが一時、漠然としたものになっていました。

様々な感情が渦巻く中、当日を迎えましたが、想像していた以上に私の中の東大への思いが再び掻き立てられ、このオープンキャンパスが私の受験生活での大きな転換点の一つとなりました。

参加して得られたこと

オープンキャンパスでは、主に「大学・学部紹介」「講演・交流」「模擬授業」の3タイプの企画がありますが、この記事では前者2タイプについて取り上げています。

大学・学部紹介(オンデマンド配信)

ここでは、大学からの説明だけではなく、オンラインツールを活かした質問対応も行っていました。オープンキャンパス期間中は対応可能、という点で非常に役立ちました。また、他の参加者からの質問・回答から、刺激を受けることもありました。

これまでも様々な場面で東大の教育方針に関する情報は得ていましたが、「知識・経験・思考・領域」の限界から自由になるための教育プログラムで「世界的視野を持った市民的エリート」を育てる、というお話に感銘を受けたことを覚えています。

学部紹介でも、選抜要項に書かれている学部理念を様々な角度から読み解くような、学部での学びの意義や現代社会における必要性の説明がありました。他学部との違いも明確になりました。さらに、学部が扱っている学問分野に関しても踏み込んだお話があり、複数の学問領域の連関について、新たな視点を得ることができました。

講演・交流

私が参加したのは、様々な進路に進まれた農学部OGの方の講演交流会です。

これまで、自分の将来像は大学4年間や大学院での研究まででしか組み立てることができませんでしたが、大学院卒業後の進路についても目を向けるようになり、このことは、推薦入試への準備にも大いに役立ちました。

そして最も印象的だったのは、多くのOGの方が私と同じような価値観や考えを持っていたことです。中高時代、私の考えていることをオープンに話すことはほとんどありませんでしたが、ここでは共感できることばかりでした。嬉しさのあまり、オープンキャンパス後数日間、家族とこの話でとても盛り上がっていました。

また、オープンキャンパスを機に、公開講座授業カタログなどの、東大が発信しているオンラインコンテンツを知り、受験までの半年間、様々な場面で活用しました。東大のオンラインコンテンツはあらゆる学問分野を網羅しているので、最高の情報収集ツールでした。

2日間のオープンキャンパスを終えた時には、初めて東大のパンフレットを見た時に感じた「東大で学びたい!」という気持ちがよみがえってきました。東大を、農学部を目指したい、という気持ちが確固たるものとなり、以後、オープンキャンパス直前のように、自分の意思が曖昧になることはなくなりました。

おわりに

最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございます。 

オープンキャンパスでは、パンフレットや大学のホームページでの情報収集では感じられない大学の魅力を肌で感じることができます。オープンキャンパスに参加して、志望校への思いを強く持つようになる場合もあれば、どの大学も面白そうで、これまで以上に迷いが生じてしまうかもしれません。しかし、ここでの経験を基に、自分の将来について深く考えることは、今後の進路選択や受験生活にプラスに働くことでしょう。 

特に受験生にとっては、大学について深く知ることのできる、最後で最大のチャンスです。是非、こちらの今年度のオープンキャンパスの特設サイトへアクセスしてみて下さい。

私たちFairWindも、皆さんの東大までの道のりをサポートできるような企画を用意して、お待ちしています。