2人の東大生がおすすめの参考書や問題集、勉強法を紹介します。参考書についてはその名前と、東大生によるおすすめの使い方や長所の説明を掲載しています。ぜひ参考にしてみてください。
基礎をしっかり固めよう
僕は現役時代予備校にも通っていましたが、地理に関してはほとんど学校の授業のみで勉強していました。そのため、僕の学校の授業スタイルを参考に勉強法を伝えたいと思います。
3年に入るまでは基本的に地理的思考力や知識の定着を図ることが求められていました。特に系統地理では思考力、地誌分野では系統地理で身につけた思考力を使いつつ知識を詰めこむことが重視されていました。
地理的思考力とは、簡単な例を挙げれば風上側の湿った空気は山脈を越える間に降水することで水分を失うため風下側では乾燥した気候になる、といったことを考える力のことです。この理屈も暗記のような気もしますが、それを考えることが重要になってきます。なぜならば未知の問題に出会ったときに答えまで辿り着けるような思考力を身に着けられるからです。
しかし、上記のような理屈を考えると同時に、それを暗記することも必要です。山脈の風下側が乾燥することや、アスワンハイダム建設に伴う問題、エルニーニョ現象に伴うアンチョビの漁獲量減少などは受験地理における頻出問題で、一から理屈を考えるより暗記してしまった方が早いことがあるからです。とはいっても数学の公式と同じように、理解した方が暗記も捗るので一度は理解してから覚えるようにしましょう。
また地理では以上に述べたような理屈の他に、各地域の主要な産業や特産物や地名、用語なども覚えなければならない場面があります。各地域の産業や特産物は各地域にその分野が強い理屈があるので、その理屈と一緒に覚えると暗記が捗ると思います。地名と用語に関してはもろに暗記です。地名に関しては、僕は学校の机に世界地図を落書きして授業や問題で出た地名をその地図に書き入れるなどして勉強していました。
さて、具体的な勉強方法ですがセンター型模試、センター過去問を徹底するのは結構有効です。センター型の問題は確かに選択問題ですが、その答えに至るには理由があるはずです。この理由を常に考えて問題を解いていけば地理的思考力を身に付けられます。また、その答えに至るまでの理由が論述問題で聞かれるポイントとなっています。東大の問題だと2,3行で論述せよ、という問題が出るので、センターの問題を解くときに答えを選んだ理由を2,3行程度でまとめる練習をすると良いかもしれません。また、模試問や過去問の数をこなせば頻出問題がわかってくるという点でも有用です。このセンターを利用した勉強で基盤を作れば、二次試験の過去問にも対応できる力がついていくはずです。東大模試が始まる時期になれば、センター型模試を使った勉強と並行して論述式の模試、過去問で出た問題の暗記も進めましょう。インプットと同時にアウトプットの訓練も大切です。
(文一 1年)
効率的なインプットを
地理の二次試験の得点とセンター地理の得点は統計的に相関があると言われています。両方とも基礎を徹底的に問うているからです。ただ出題意図が似ているからといって二次の勉強を怠っても良いかというと、そうではありません。論述の勉強も別途必要となります。ただ、勉強の主軸はセンター試験レベルの基礎知識の習得にあります。以下は基礎知識をいかに学んでいくのか(インプット)に焦点を置いて話していきたいと思います。
まず地理を学ぶ上で必ず必要なのは地図帳とデータブックです。前者は地理的な感覚を養うだけでなく、等温線や海流などの基本的情報を与えてくれます。また地理では客観性を持たせるために多くのデータが必要となり大学入試でも問われるため、後者も必需品です。基本的には学校の授業で大丈夫なのが地理の特徴ですが、もっと体系的に学びたい人は次の参考書を自習のためにお役立てください。
一つ目は『センター試験対応地理ノート』です。先述の通り問われているのは基本的にセンター試験レベルの知識ですから、この1冊で十分カバーできます。穴埋め方式でグラフや表の客観問題にも対応できるようになっています。安くて薄いのでお役立ちです。ただ解いて終わりにはしないで自分で説明できるレベルまで仕上げれば文句なしです。地理は特に多くの頻出問題が出てきますので、教科書や参考書に書かれている定番の論点は押さえましょう。
もう1冊紹介すると『村瀬の地理Bをはじめからていねいに』です。この参考書は知識のインプットのために理解を促してくれます。なんでそうなるのか。今まで謎だった地理的事象もこの一冊で解消されるのではないでしょうか。
(文一 1年)
(記事執筆:2016.3.15)