7月13日(土)に和歌山県の開智高校で対象は高校三年生の東京大学等を志望する生徒を対象に東大生地方出張セミナーを行いました。FairWind4年目にして初の関西遠征となりました。
午後から始まったセミナーの最初のコンテンツは参加東大生3人によるパネルディスカッションでした。①高三時の受験スケジュール、②各科目の受験スケジュール(基礎から過去問対策への移行、センターと二次の比率)、③模試の活用法、④東大受験へのモチベーションの向け方、と4つのテーマについて3者3様の経験を紹介し、受験に対する意見を交わしました。参加した高校生からは「三人それぞれの意志があって自分に合ってるものを見つけられた」という声をいただきました。このコンテンツを通じて、東大生が個々それぞれの方法で合格しており、「これをしたら受かる」という絶対的なものがあるわけではないと高校生が感じ、「自分には合っている方法は何なのだろうか?」と考えるきっかけになったのではないかと思います。
続いてのコンテンツは個別相談会でした。個別相談会では文系志望の生徒は文系の東大生のもとに、理系志望の生徒は理系東大生のもとに主に集まり、教科対策や自己管理など一人ひとりの疑問や不安などについての質問を投げかけていました。東大生が自身が受験生だった頃に使っていた教材やノートを示しながら説明しているときの高校生の表情が特に印象的でした。普段聞くことの出来ない東大生の「生」の<声>だけでなく、東大生の受験の<記録>も実際に見ながら、高校生が自身の受験生活に活かしうる情報を積極的に集めるまなざしに私たちも自ずと力が入っていました。
最後のコンテンツはワークショップ形式で、夏休み以降の自分の受験戦略をデザインを東大生と行うというものでした。①「この戦略と『心中』する」と決めた戦略、②なぜその戦略を選んだのか、というそれまでのきかくで伝えてきた各東大生の受験時の話を踏まえて、実際に高校生が自己分析や戦略分析などを行いました。このワークショップの中では、高校生にとってはまさにこれからの半年間を占う戦略を考えてもらいました。その中で浮かんだ非常に実践的な質問をもとに東大生と高校生との間で交流が行われ、個別相談会からは一歩踏み込んだやりとりがありました。高校生からも「これから自分がどのように勉強していったら良いのかを話を聞きながらしっかり考えられた」という声をいただきましたが、あと半年の受験生活のに活かしてもらいたいと切に願っております。
開智高校は卒業生に東大生は文系が1人いるという学校です。今年は理系の東大志望者が多く、その意味でも普段は聞くことの出来ない理系東大生の「生」の声・記録が貴重な情報となれば嬉しく思います。また、このように先輩からの情報が限られる地方の高校生にとって、多様な東大生の「生」の声を聞くことで「自分はこの方法ならできるんじゃないかな」と選びとる戦略の幅が広がったならば幸いです。選ぶというのは難しいものです。長い受験生活、「自分にこの方法が合ってるんだろうか」と不安になり、<柔軟に戦略を変える>とはいいつつも<優柔不断>に陥ることになりうるかも知れません。もしかするとその違いは表裏一体で結果論でしか評価できないものかも知れません。しかしながら、<なぜその方法が自分に合っているのか / なぜその戦略転換が今の自分にふさわしいのか>について、分析あるいは直感から導かれる(たとえ合理的ではなくても)根拠を信じ選んだものに腹を括れるかが両者の違いになるのではないかと思っております。こうした企画のメッセージを少しでも感じてもらえれば嬉しく思います。そして、たくましく受験を戦い抜き来年の春に合格してくれることをお祈りしております。