【東大生の夏休み】授業がない期間は何してるの?

地方高校生に、追い風を

はじめに

高校生の皆さんは、大学の夏休みについてどのくらい知っていますか?

東大の場合、夏休みは約2ヶ月もあり、この期間は大学生活において比較的大きな比重を占めています。

東大生は、2ヶ月間もの長い休みに何をしているのでしょうか。

今回の記事では中学や高校の夏休みと大きく異なる大学生の夏休みについて説明します。皆さんが大学生になったときの夏休みの過ごし方を想像してみてください。

以下では、東大を例にとって紹介しますが、他の大学と共通点が多くあるので、ぜひ最後まで読んでください!

大学生の夏休みとは

はじめに、大学における夏休みの位置付けを説明します。

東大の年間日程では、4月から7月に前期、10月から翌年の1月に後期の授業があり、夏(8・9月)、春(2・3月)にそれぞれ2ヶ月ずつの長期休暇があります。

また、夏休みという名の通り、基本的に授業や課題は課されません。

つまり、大学生の夏休みは、2ヶ月間のスケジュールを完全に自由に決めることができる期間なのです。

では、大学生が2ヶ月という時間をどのようなことに費やしているのか、本題に入っていきましょう。

夏休みの過ごし方①:大学関連

授業......夏休みなのに?

授業は基本的にないと書きましたが、全くないわけではありません。

主に通常の授業が行われている期間にはできないような科目が開講されています。

たとえば、教員免許の取得要件となっている授業や、研究室や実験所を訪問する授業、キャンパス外で行われる科目などが挙げられ、これらの多くは数日間で集中的に開講されます。

通常の授業期間外に開講されるこれらの授業は、基本的に全員が必ず履修しなければならないタイプのものではなく、希望者が選択する科目であることがほとんどです。

また、学科によっては長期間の実習が入ります。

医療関連の学科の病院実習や地球惑星環境学科の野外実習などが該当します。

授業以外では?

まず、自由な時間を活かした短期留学が挙げられます。

留学というと、1年間といった長期的なものを想像するかもしれませんが、夏休みを利用した短い期間で行くことも可能です。

東大では、交換留学をはじめいろいろな制度が充実しています。詳しくはこちらのウェブサイトをご覧ください。

海外で実施されるものとしては、留学の他に研修もあります。

現地を訪れて、そこの大学生や社会人と交流するプログラムや、大学で学習した英語以外の言語 (第二外国語)を話す語学研修が行われています。

この下に掲載している「体験活動プログラム」の1つとして、筆者は中国のトップ大学の生徒や在中国日本国大使館に勤務する方と交流するプログラムに参加しました。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、オンライン開催となりましたが、中国の大学生活や社会人の働き方、中国の国としての発展の様子などをお聞きすることができました。

もちろん国内でのプログラムも準備されています。

大学と民間企業が提携したインターンシップや、地方自治体と協力して課題解決に向けた政策提案を行うプログラムはその代表例です。

気になった方は、公式ホームページ(体験活動プログラムフィールドスタディ型政策協働プログラム)をぜひご覧ください。

夏休みの過ごし方②:私生活

夏休みならではの楽しみ

大学生にとっても、夏休みはやはり待ち遠しく楽しみな存在です。ここでは、筆者の体験を交えて楽しみ方の例を紹介します。

大学生の夏休みといえば旅行でしょうか。

地元への帰省や海外旅行は、日常生活ではなかなかない機会です。

大学の夏休み特有である2ヶ月のまとまった期間が取れることを利用して、日本一周旅行をしたり、免許合宿で数週間地方で生活をしたりすることができます。

筆者も旅行が好きで、8月中旬に高校時代の友達と長崎県の離島である壱岐島へ行きました。お盆の時期は、異なる大学に通う者同士であっても予定を合わせやすく、高校時代の友達と久しぶりに会うことができました。

また、9月上旬には1人で北海道を訪れ、数年後に廃線となる予定の留萌本線の乗車、美瑛町の「四季彩の丘」の見物などをしました。いずれの旅行も日常生活では決して体験できない素晴らしい思い出となりました。

旅行に限らず、大学の部活動やサークルに勤しんで大会に参加している人、四六時中アニメやゲーム、映画などの趣味に熱中している人など、それぞれの思うままに時間を使って楽しんでいます。

なりたい将来像に向けて更なるレベルアップを

夏休みの2ヶ月間ずっと遊ぶだけでなく、興味のある分野の学習就職に向けた自己研鑽に励む大学生も決して少なくありません。

大学生特有のものとしてインターンシップがあります。

インターンシップとは「就業体験」とも呼ばれ、学生が実際に仕事を体験する制度のことです。1日2日で終了するものから、数ヶ月に渡る長いものまであります。

場合によっては、インターンシップ先がそのまま就職先になることもあるようです。

また、通常の授業が行われている期間は参加できる時間が限られていますが、夏休みでは毎日参加することができ、社会人と同じような生活を送ることが可能となります。

資格取得や語学力向上のための勉強に励む大学生もいます。

「夏休みまで勉強?」と思うかもしれませんが、普段カリキュラムに則って勉強している大学生にとって、夏休みこそ授業に縛られることなく集中して自分のための勉強ができる期間なのです。

資格取得や未修の言語の学習のほか、専門知識を深めるなど、その学習内容も人によってさまざまです。難しい事柄を単独で自習するのではなく、同じ関心を持つ複数人が集まって一緒に学問書を読み進めることもあります。

おわりに

高校生までとは大きく異なる大学生の夏休みの紹介はいかがでしたか。

ここまで、夏休みという言葉で説明してきましたが、春休みも合わせると、大学生活のおよそ3分の1は、完全に自由に時間の使い方を決めることができる長期休暇です。

このような機会は、人生の中で後にも先にも訪れないであろう貴重なものとなります。

自分が大学生になったと仮定して、夏休みの2ヶ月間の予定を立ててみるのも楽しいのではないでしょうか。