東大ツアー 2015/03/26 広島県ノートルダム清心高校

地方高校生に、追い風を

私たちFairWindは東京大学本郷キャンパスにおいて、3月26日(木)にノートルダム清心高等学校の新高校1年生20名および新高校2年生7名の計27名を対象としたキャンパスツアーを行いました。
ノートルダム清心高校に弊団体が企画を行うのは3回目。今回は、FairWindメンバーだけでなく、ノートルダム清心高等学校のOG3名にも協力していただきました。天候に恵まれ、桜が咲き始めた暖かな春の日差しの中、キャンパス見学、ワークショップ、研究室見学・模擬授業を通して東京大学を堪能してもらいました。

最初のコンテンツとして、昼食の後に、ワークショップを行いました。今回のワークショップのテーマは「進学振り分け制度」。「歩きスマホ」の原因や解決策を考えるワークショップを通して、高校生の皆さんに、身近な社会問題を例に、一つの問題には、様々な学問が関わっていて、また、その学問を、学べる学部や学科がたくさんあるということを知ってもらいました。歩きスマホをやりたいことに置き換えてみると、やりたいことがしっかりと決まっていたとしてもそれをかなえられる大学の学問はたくさんあり、その学問を学べる場所もたくさんある、ということです。逆にいうと、自分のやりたいことをもとにたくさんある大学の学科の中から自分にぴったりの学科を高校3年生までに決めなければいけません。そんな不安を解決するために、最後に東大の進路振り分け制度の存在を伝えました。この制度の下では、大学2年の夏まで自分のやりたいことをじっくり探すことができ、選択肢の幅が広がるということや、実際に進路振り分けを体験したメンバーが自分の志望がかわったきっかけなどを話しました。大学に入ってからも自分の興味があることをゆっくり考えられるこの制度を東大に入ってぜひ使ってみたいという高校生もいました。

 その後、模擬授業と研究室見学を行いました。模擬授業は東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻の足立信彦教授が行ってくださいました。「男の物語、女の物語」というテーマで、実際に大学の授業で半年かけて行う内容を90分に圧縮して高校生向けにお話ししてくださいました。高校ではほとんど聞かないであろうジェンダーについての講義だったにもかかわらず、講義を受ける高校生たちのまなざしは真剣でした。90分という短い時間でしたが大学の学問に触れる良い機会となったのではないかと思います。

研究室見学では、東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻の牛田多加志教授と古川克子准教授に協力していただき、工学部5号館と工学部8号館を見せていただきました。この研究室では、再生医療をテーマに研究が行われており、体の機能が低下したり、機能を失ってしまったりしたときに、どうやって機能を回復するかを研究していました。そこでは、細胞の培養を行い作られた軟骨や、膝に入れることで、人間の膝関節と同じ働きをするパーツ、大動脈の代わりになるチューブなどを見せてもらえて、高校生の目が輝いていました。また、時間が足りなくなるほど、高校生が教授にたくさんの質問をしている光景も見られました。大学の研究室に入る機会はあまりないので、とてもいい刺激になったのではないかと感じました。

 また、残りの時間でキャンパスツアーを行いました。私が同行したグループは、工学部付近を中心にキャンパスを回りました。購買では、何をお土産にしようか決めきれず、たくさんのお土産の前で固まっている高校生もちらほら。見たところ、クッキーが人気でした。その後、安田講堂や、工学部2号館、正門、赤門、図書館などを巡りましたが、一番人気だったのは東京大学コミュニケーションセンターでした。ここは、東京大学が研究を通して開発した製品が数多く販売されている施設で、高校生からは、大学が商品とかを開発しているのは意外という声が上がりました。

今回のツアーは、東大の魅力を伝えることを目標に据えて企画しましたが、東京大学についていろいろ面白いことを知られて良かったと言っていた高校生が多かったことからも、その目標は達成できたのではないかなと思います。生徒の皆さんには、今回感じたこと、知ったことを吸収して、今後、役立てていってほしいです。