受験を目前に控えた皆さんへ【メルマガ配信記事】

地方高校生に、追い風を

(この文章は、2024年1月7日にFairWindのメールマガジンで配信したものです。)

これを読んでいる方の中には、お住まいが北陸地方の方やご親戚が北陸地方にいらっしゃる方もいらっしゃると思います。
この度、能登半島地震で被災された皆さまにはお見舞い申し上げます。

今回は、もうすぐ共通テストおよび私立大学・国公立大学の二次試験を迎える受験生の皆さんにメッセージをお送りしたいと思い、この文章を綴っています。
私は今回被災していない立場ですので、もし配慮に欠ける表現があったらごめんなさい。

1月1日、新年のめでたい気持ちでいっぱいだったはずの夕刻、能登半島地震が発生しました。
そして、多くの人が精神的ストレスや不安な気持ちに駆られて過ごしているのではないでしょうか。
それは被災された現地の皆さんだけでなく、ニュースやSNSでその状況を目にする方もきっと、これまでと同じようにはいかない日々が続いているのではないでしょうか。

今、実は、私も受験生です。2月に国家試験を控えています。

あまり成績がいい方ではなく、ただでさえ不安な日々の中、必死に勉強して過ごしていました。
元日も特に家族で過ごすでもなく、部屋で一人勉強していたところ、地震速報、そして大津波警報の通知が鳴りました。
そこからは、現地にいるであろう知人を心配しては集中もできず、夏に能登へ旅行した経験からあの素敵な土地が被害を受けることに悲しみ、テレビやSNSに流れる多くの情報や論争に精神を削がれては、まともに勉強できない時間を過ごしていました。

そうして、なかなか勉強ができない中で、自分がどうあるべきか私は翌日も一日中ずっと考えていました。
私は被災もしていないのに、災害を理由にこんなことでいいのだろうか。
避難していたり自宅が被害を受け物質的に勉強が難しい受験生に(大学受験、国試受験ともに)失礼ではないだろうか。
逆に何か、今の自分にできることはないのだろうか。
そんな中で私は、私自身がたどり着いた答えを、同じように悩んでいるかもしれない受験生の皆さんに送りたいのです。

( 1 ) まずは自分の心を大事に

つらい気持ち、悲しい気持ち、不安な気持ち、全部ありのままでいいと思います。どこにいても。

勉強しなきゃと焦る気持ちも確かにあるでしょう。

でもまずは自分の心を休めましょう。

心が疲れていると、頭も身体も疲れてきます。そのまま勉強しても、なかなか集中できずミスが増えたり、記憶したいこともなかなか頭に入って来ないと思います。
まだ今日全然勉強していないのに疲れてるはずがない、って自分に言い聞かせて無理しようとしなくて大丈夫。

薬学的な面からも、精神的不安、肉体疲労、思考力・集中力の低下、どれもセロトニンやドパミンといった神経伝達物質が関与しあっている生理的な反応です。
(今日勉強していた分野でした。急に知識をひけらかすみたいにごめんなさい(笑))

そのまま頭も身体も心も疲弊していては、試験当日、解けるはずの問題も解けません。
まずは自分の心身をしっかり休めましょう。

( 2 ) 小さなことからでも大丈夫

少しだけ気持ちと体力に余裕が出てきたら、少しだけ手をつけてみましょう。
5分からでも、1問からでも。まずは簡単なことだけでもかまいません。

今このメルマガにアクセスできている環境だとしたら、手元に教材等が十分になかったり限られていても、ネット上に過去問なども公開されています。

例えば数学ならまずは大問1つだけ、できたら1年分続けて解いてみるとか。
英語なら、文章読みながら問題は解かずとも英単語だけ復習してみるとか。
少しずつでも勉強できたら、焦りの気持ちも少しずつ小さくなっていくでしょう。

( 3 ) 自分を信じよう

今の自分が持っている力を信じてください。

このまま試験当日を迎えるのはなかなか不安かもしれません。でも大丈夫。

皆さんは、高校3年間、特にこの受験生としての1年間ずっと必死に努力してきたはずです。
これまでに積み重ねてきた努力は、しっかりとあなたのものとして身についているはず。
今この数日でそれが全部消えてしまうことはありません。

これまでやってきたことを信じて、当日にそれを最大限に発揮できるように、心と身体を万全にして向かってください。

……と言われても、どうしても心が折れてしまいそうなとき。

なりたい自分をもう一度思い浮かべてください。

あなたは、この大学受験を経て、どんな大人になりたいですか?

どんな大学生活を送って、社会に出てどのように生きていきたいですか?

私は、地域医療に貢献したいという強い気持ちがかねてからあり、今回の災害医療もその一つであることをあらためて認識しました。
そして、本番まであと少し。
今の自分にできることは、将来そういった人々の役に立てるように、国試に受かるよう勉強すること。
またその決意を持ち直して頑張ろうと決めました。

皆さんにも、つらい気持ちをも糧に前に進んでほしい。

今はとっても苦しいと思います。

でも、やりたいことや叶えたい将来を今諦めたら、今後もずっと、自分の選択次第ではより良くできたはずのことまで今回のせいにしてしまいませんか?

そうやって自分の力でできたはずのことまで諦めてしまうのは悔しくありませんか?

もちろん今、どうにもならないことも多くあると思います。

ただ、そうなるのは嫌だ、今後これを乗り越えて自分の未来を切り拓きたい、そんな思いで前に進んでほしいです。

そして困難に屈せず前へ進んだ経験は、また今後の皆さんの力に、自信になるはずです。

皆さんのことを心から応援していますし、皆さんの力を信じています。

皆さんがこの困難を乗り越えて、その先に素敵な未来がひらけることを祈っています。

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