【東大生に聞く】志望校・併願校の選び方【大学受験】
はじめに
突然ですが、この記事を読んでいる皆さんの中に、「志望校が決まらない……」「第一志望は決まっているけれど、併願校はどうしよう……」と悩んでいる人はいませんか?
では、どうして志望校や併願校が決まらないのでしょうか。
その要因の中には、「知っている情報が少なくて決められない」「そもそもどんな観点で決めればいいのかわからない」というものもあるのではないでしょうか。
この記事では、まず志望校の選び方についてどんな観点があるか、筆者が受験生の時の体験をまとめます。
次に東大生の併願校について、現役東大生であるFairWindメンバーを対象としたアンケートをもとに紹介します。
この記事で紹介する内容は多くが個人の考えで、必ずしも「正しい」というわけではありません。
大切なのは自分の行きたいところを選択することです。
そのことを頭の片隅におきつつ読んでいただければ幸いです。
志望校の選び方
それでは、まずは志望校の選び方について見てみましょう。
自分の興味や関心にあった選択をする
結局これか、と思った人もいるのではないでしょうか。
でも、これが一番大事と言っても過言ではないはずです。
学びたいことや将来なりたい職業を考え、その分野の研究が一番進んでいる大学はどこか、その職業に就くために必要な資格をとるためにはどの大学に行けば良いか、と考えると志望校が見つかるかもしれません。
同じ大学・同じ学部とはいえ、やっていることは全然違うということもあります。
たとえば、同じ東京大学の教養学部でも、言語とコンピュータ・データ処理との関係について研究しているコースもあれば、また別のコースでは国際政治・国際法・国際経済を学んでいるコースもあります。
どこに進学すれば自分の興味や関心にあったことを学べるのか、きちんと調べてみると良いでしょう。
進学支援サイトや各大学のホームページを参考にしてみましょう。
それでも、高校生の段階で完全に勉強する分野を決めてしまうことはためらわれる、という人もいるのではないでしょうか。
そんな人には、大学に入って様々なことを勉強してみてから進学先を考えるという選択肢もある、ということを紹介したいと思います。
たとえば東京大学では、進学選択という制度があります。
入学時には進学する学部・学科が決まっておらず、1年以上の間さまざまなことを学んだのちに学部・学科を選ぶことができます。
いずれにせよ、自分自身の将来の姿を、一番すぐに訪れる大学への進学を切り口に考えはじめてみると良いのではないでしょうか。
大学の雰囲気を知る
こちらもよく言われることですが、大学にはそれぞれ異なった「雰囲気」があります。
それぞれの大学の雰囲気を知り、自分に合っていると感じた大学を選ぶことも重要ではないでしょうか。
大学の雰囲気を知るための方法をいくつか紹介します。
まず、オープンキャンパスに参加してみましょう。
筆者自身はいわゆる「コロナ禍」の影響を受け、対面ではなくオンライン開催のオープンキャンパスに参加しました。
しかし、実際に大学のキャンパスを訪れてみると植栽や各建築物のデザイン、あるいは行き交う人々の話し合う様子などから様々なことを感じられるのではないかと考えています。
現在では対面でオープンキャンパスを実施する大学も増えているので、機会があれば、積極的に参加してみると良いでしょう。
なお、東京大学のオープンキャンパスは現在でもオンライン開催ですが、オンラインであっても、どのような先生や学生がいるのかを知る機会になると思います。
次に、大学のパンフレットを読んでみましょう。
パンフレットには大学が受験生に向けて伝えたいことが書いてあります。
いいことしか書いていない、という面もあると思いますが、各大学が力を入れている分野などを比較する良い手段になると思います。
少しでも進学を考えている大学のパンフレットは読んでみると良いのではないでしょうか。
ちなみに筆者は北海道大学、東北大学、東京工業大学(現 東京科学大学)のパンフレットを見比べていました。
いずれも進学を考えていたのですが、その中で各大学を比較するのに役立ったと感じています。
特に、入学した後の制度や仕組みには大学ごとに差があり、そのことを認識することができました。
また、自分の興味に近い研究をしているのはどの大学か、などやや抽象的ではあったものの、大学や学部を選ぶ参考になりました。
最後に、先輩の体験談などを聞いてみましょう。
もし周りに自分が進学を考えている大学に進学した先輩やその人を知っている先生がいれば、話を聞いてみると良いと思います。
その大学に実際に在籍している人の話を聞く機会は少ないかもしれませんが、その大学の雰囲気をよく反映していると思うので、周囲の環境を最大限活用してみると良いのではないでしょうか。
もし周りにそういう人がいない、という場合も経験談などを調べてみると良いと思います。
東京大学に関しては、私たちFairWindの記事や質問対応も活用してみてください。
以上、様々な方法を紹介しましたが、どんな方法でもいいので自分から知ろうとしてみてほしいと思います。
自分から知ろうとしてみれば、これまで以上に様々な情報が得られるはずです。
いろいろな人の協力を得る
「どこに」「どんな理由で」進学したいかを自分の中である程度はっきりさせ、周りの人たちに説明して理解や協力を得ましょう。
大学受験にはさまざまな不安がつきものだと思います。
不安に思った時に、なんでも相談できる相手や助けてくれる人がいると、乗り越えやすいと思います。
実際に私も両親に相談したことがあり、不安がなくならないけれど少し小さくなった、という経験をしました。
だからといって周りの意見だけに流されるのではなく、最後は自分で決めた、という実感を持つとその後のモチベーションにつながると思うので、最終的には自分で決めることも大切にしてください。
過去問を見てみる
志望校選びにおいて「過去問」が重視されることはあまりないのではないかと思います。
しかし私は、過去問を見ることも重要だと思っています。
入学試験の問題には、大学が求める学生像が反映されていることが多いです。
たとえば東京大学では、アドミッション・ポリシーに「自らの興味・関心を生かして幅広く学び、その過程で見出されるに違いない諸問題を関連づける広い視野、あるいは自らの問題意識を掘り下げて追究するための深い洞察力を真剣に獲得しようとする人」を求めていることが書いてあります。
それを受けて入学試験では、ある知識や公式などを覚えているだけでは問題が解けず、それらを組み合わせて解決することが求められています。
そのため、過去問を解いてみることが大切です。
また、問題形式などとの相性もあると思います。
いくつかの大学の過去問を見比べてどんな違いがあるかを探してみたり、興味深いと感じる問題を見つけてみたりしましょう。
受験生はもちろん、ある程度範囲が終わってきたら1・2年生でも一度は過去問を解いてみると良いと思います。
併願校の選び方
ここまでは、筆者の視点から志望校の選び方に焦点を当てて見てきました。
それでは、併願校はどうでしょう。
併願校はあってもなくても良いですが、どちらにしてもなぜその選択をするのか、ということが大事になると思います。
ここからは東大生がどのように考えていたのか、現役東大生であるFairWindメンバー119人を対象に実施したアンケートをもとに紹介したいと思います。
なお、設問ごとに回答者数が異なるため、合計値が一致しない場合がありますが、ご了承ください。
そもそも併願校に出願したのか
FairWindメンバー119人が回答したアンケート(2025年実施)によると、
- 併願校に出願した:78.2%(93/119)
- 併願校に出願しなかった:21.8%(26/119)
となっていて、多くの人が併願校に出願していました。
併願校の出願校数は、1校が25人、2校が22人、3校が20人、4校が13人、5校以上が13人で、全体として平均は2~3校程度でした。

まずは、併願校に出願した人の回答を詳しく見てみたいと思います。
出願形式や受験結果について
どのような大学をどのような方式で出願したか、複数回答可で質問したところ、
- 私立(一般):99 人
- 私立(共通テスト/センター試験利用):109 人
- 国公立大学(前期日程以外、防衛医科大学校含む):44人
- その他(防衛医科大学校など):2人
となりました。
なお、私立併願者の中には共通テストと一般受験の併用型や英語4技能テスト利用方式に出願した人もいました。
どのような大学をどのような方式で出願したかは人それぞれのようです。
また、実際の受験有無や合否の内訳は以下の通りでした。
- 出願のみで受験せず:54 人
- 併願校に合格:165 人
- 併願校に不合格:26 人
次に、国公立大学、私立大学それぞれの出願理由を詳しく見ていきましょう。
国立大学(前期日程以外)に出願・受験した理由
次に、国立大学(前期日程以外)に出願した人に、その大学や方式を選んだ理由、自身が感じていたレベル感を質問しました。
多くの人が重視していたのは、「自分のやりたいことができる」「ここなら行きたいと思える」ということでした。回答を一部抜粋して紹介します。
- 人文学系で東大の次に充実しており、一浪してこれ以上浪人できない身の自分が、進むことになっても納得できるから
- 国家公務員総合職試験に合格者を多数輩出しているから
- もともと医学に興味があり、東大か医学部か迷ってもいたので、受かれば入ろうかと思って、東大と同じレベルの大学を受けた。
合格したら行きたいと思える大学だからこそ、出願・受験する価値があるということではないでしょうか。
ただ、次のような回答もあり、良くも悪くも全員がはっきりとした考えを持っているわけでもないようです。
- (その大学のある地域に)旅行に行きたかったから
- なんとなく
また、併願先の国公立大学(前期日程以外)の受験に対するレベル感については以下の通りで、安全校を選択する人も挑戦校を選択する人も同程度のようです。
- 安全校(ほとんど失敗しない限り合格できるレベル感):16 人
- 相応校(自分の実力に合ったレベル感):13 人
- 挑戦校(難易度が高く合否を読めないレベル感):12 人

私立大学に出願・受験した理由
続いては、私立大学に出願・受験した人に、その大学や方式を選んだ理由、ご自身が感じていたレベル感を質問しました。
まず、共通テストやセンター試験を利用する方式を選んだ理由では、現地に行く手間がないことを挙げた回答が多かったです。
中には、共通テストの自己採点があっているかを確認する意味で出願したという人もいました。ちなみに筆者もその一人です。
次に、一般入試を選んだ理由には様々なものがありました。そのうちの一部を紹介します。
- 第一志望校とレベルが近いところを受験して練習する
- 確実に合格できるところを受験する
- 元々その大学に憧れていたから
また、併願先の大学に対するレベル感(国公立大学と同様に「安全校・相応校・挑戦校」の3タイプ)に基づき、出願校数ごとの傾向を分析しました(ここでは、3タイプすべてを受験し、かつ特定のタイプが半数に満たないケースを「バランス型」と定義しています)。
出願校数が1校の場合、半数近くが安全校を選択しており、挑戦校へ出願したメンバーは全体の20%弱にとどまりました。併願校数が少ないからこそ、本命である東京大学の対策を最優先しつつ、確実に合格を手にすることができる戦略をとっていると考えられます。

出願校数が2~3校の場合、半数近くが安全校と相応校のセットの形で併願しており、安全校または相応校と組み合わせる形で挑戦校を受験した人も比較的多くいました。複数の大学を併願する場合、1校のみの併願の場合と比べると確実な合格を狙いつつも、実力に見合った大学や上位校への意欲も反映した選択を行っていることが分かります。

出願校が4校以上の場合、挑戦校を一切受けない層が約1/3を占める一方で、残り約2/3は3タイプすべてを網羅しています。後者の層においても、挑戦校が半数を超えるケースはなく、安全校や相応校を一定数併願する傾向は出願校数によらず変わらないようです。併願校数を増やすことで、滑り止め校を盤石にしつつ、第一志望に近いレベル帯へ選択肢を広げていると考えられます。

併願校を受験しないという選択の理由
前述したとおり、併願校を受験しなかった人も一定数いました。その人たちはなぜ併願校に出願しないという選択をしたのでしょうか。
こちらへの回答のとして以下のような回答が見られました。
- 東大の受験に向けての勉強や東大の受験に集中したかった
- 「『落ちても行ける大学がある』という状況を作りたくなかった」「学部を決めていなかった」
- 「行きたいと強く思える大学がなかった」「落ちたら浪人してでも東大に行く」
「第一志望校にどうしても行きたいと思っていて、他の大学に進学するつもりがなかった」というのは大きな理由のようです。
まとめ
併願校は受験・出願した人の方が多く、その中でも大学の種別や受験方式は様々でした。
併願校を受験・出願するならば、自分のやりたいことができ、行きたいと思える大学はどこなのかを考えてみましょう。
そのような大学が見つからないならば第一志望校のみを受験するという選択肢もあり、それにも第一志望校に向けての勉強に集中できるというメリットもあるようです。
受験方式についても多様なものがあるので、自分に合ったものを探してみると良いのではないでしょうか。
おわりに
以上、志望校や併願校の選び方について、FairWindメンバーへのアンケート結果も踏まえながら紹介してきました。
この記事は「これが正解である」と言いたいのではなく、「こんな考え方もあるよ」と紹介することを目的としています。
そのため、ここで紹介した考え方も参考にしながら、自分なりに考えて自分なりの進路を決めていってほしいと思っています。
この記事が、自分自身の進路について調べたり、考えたりするきっかけになれば幸いです。