【東大不合格体験記】現役で合格するための4つのポイント

地方高校生に、追い風を

桜散る

はじめに

私は地方の高校出身で、東大に合格するために卒業後2年間、予備校で浪人をしていました。

この記事では、現役のときに不合格となった原因を、勉強面と精神面から分析して、受験において重要だと思ったことをお伝えします。

これから受験を迎える中で、この失敗談を反面教師にして、勉強法や心の持ちようを考えてほしいです。

しかし、最適な勉強法やメンタルの保ち方は、個人の性格や置かれている環境で変わってくるので、あくまで一例であるということを念頭に置いて読んでいただければ幸いです。

勉強面で大切なこと

勉強面において、私が重要だと思うのは、「問題を有効活用すること」「基礎を徹底すること」です。

では、これらに関する私の失敗談や、それを踏まえて重要だと思ったことを見ていきましょう。

問題を有効活用する

試験本番が近づくにつれて問題を解くのがメインになっていたのですが、その使い方が下手でした。それを踏まえて、問題演習で特に重要だと思うのは、「量だけでなく質も重視する」「時間を意識する」「自己分析をする」の3つです。

量だけでなく質も重視する

「過去問をたくさん解けばいい」と考えていませんか?

当時の私はそのように考えていたので、多く数をこなすことに重きを置いて、一問一問を十分理解しないまま他の問題を解いていました。しかし、解答を見て分かった気になるだけで、復習、解き直しをしていなかったため、結局何も得ていない状態になっていました。

浪人してからは、そもそも知識が不足していたのか、考え方が身についていなかったのか、それらを問題と関連させることができなかったのかをまず分析しました。そして、それに応じて知識や考え方、それらを実際に問題でどう生かすかを覚えました。さらに、一度解くだけで終わらせず、何回も解き直しを行いこれらを確認しました。

量をこなすだけでなく、一問一問をしっかり理解することが重要です。

時間を意識する

時間を気にせずに問題を解いている、という人は結構いるのではないでしょうか?

私は、特に理科や数学で、時間無制限で問題を解くことが多くありました。その結果、入試本番で適切な時間配分ができず、出たとこ勝負になりました。

もちろん、最後まで考え抜くのは良いことなのですが、制限時間があるときに自分はどの程度解けるかを知ることを忘れてはいけません。試験時間は有限なので、限られた時間をどう使うか考えることが入試では不可欠です。

そのため、過去問を1年分通してやる場合は本番を想定して時間配分を意識し、1問解くときにも集中するために時間に区切りをつけることが重要です。高3の過去問演習を主に行う時期(秋以降)から時間を意識すると良いと思います。

自己分析をする

皆さんは何のために問題演習をしていると思いますか?

問題を解く目的の一つに、自分が何を分かっている/分かっていないのかを知ることがあると思います。

しかし、現役のときの私は、間違った問題の解答を見るだけで、なぜ解けなかったのか、足りなかったものは何かを考えることをあまりしませんでした。

問題を解くことは自分の理解度を測る手段であるはずが、問題を解くこと自体が目的になっていました。

どこまで分かっているのか、解答にはあと何が必要だったのかをメモするようにして、問題から自分の現在地をしっかり分析することが重要です。

基礎を徹底する

「教科書を一通り終えたらあとは問題を解きまくるだけ」と思っていませんか?

当時の私もそう考え、直前期には問題を解くことだけに集中していました。受験が近づくにつれて、問題を解く時間が増え、教科書などで基本事項を確認する時間が大幅に減りました。確認するとしても、問題を解いて間違えたところを少し見るくらいでした。

問題演習のみに注力するのは、基礎知識が入り切っていない高3ではあまり良くありませんでした。なぜなら、問題演習は基礎知識の理解度を測るものであり、基本ができていないと問題を解く意味があまりないからです。

では、基礎知識をどのように入れるのか。それは知識を体系化することだと思います。

そもそも体系化された知識とは、単語や式単独ではなく、物事の一連の流れや関連まで含めた知識です。生物を例にとると、「ミトコンドリアは呼吸を行う」という一つの知識ではなく、呼吸の経路や、葉緑体などの他の細胞小器官との違いといった知識も同時に入れて繋げることで体系化されます。

知識が体系化されていれば、問われ方が変わったときにも対処できるようになります。ある問題で単発の知識が使えても、問われ方が変わると解けないことがあります。その場合、繋がった知識から情報を引き出すことで対処できます。

例えば化学で、金属イオンの沈殿に関する問題が出題されますが、沈殿する金属イオンと陰イオンの組み合わせや色を覚えるだけでは解けない問題が多くあります。

その場合必要になるのは、イオン化傾向やイオンの大きさや溶解度、化学平衡など様々な理論化学の知識です。金属イオンの沈殿に関して、金属イオンの大きさや、化合物の溶解度積などの理論と結びつけて覚えることで、これらの問題に対処できます。

精神面で大切なこと

精神面において重要だと思うのは、「現役で決める覚悟を持つこと」「1人で抱え込みすぎないこと」です。では、こちらもそれぞれ見ていきましょう。

現役で決める覚悟を持つ

「現役で志望校に合格する」という思いは皆共通だと思いますが、どれくらい強く持っていますか?

受験生であった私にとって、第一志望だけに集中したい一方で、併願校など落ちた後のことも少しは考えないといけないのが、とても厄介でした。

私は高3の早い段階で、東大に落ちたら浪人することを決めていました。第1志望に落ちた場合どうするか考えることは重要ですが、追い込まれないと本気にならない私にはマイナスに働きました。

具体的には、「落ちたら浪人する」が「落ちても浪人できる」という甘えに変わっていました。そのため、「浪人してから本格的に勉強する」という意識が芽生えて、模試や過去問を本番を意識せずなんとなく解いたり、難しい問題を理解するのを諦めたりしていました。

あくまで、浪人は不合格になった後のオプションであり、落ちる前から浪人することを計画に入れない方が良いというのが私の考えです。

1人で抱え込みすぎない

人に頼ったり、聞いたりするのは苦手だ、恥ずかしい、という人はいませんか?

私はそのような性格のため、少なくとも受験生活では苦労しました。
私の出身高校は、東大や医学部合格者を毎年のように輩出する進学校ではないため、受験に熱心な同級生や、勉強を一緒にする友達がいませんでした。先生は積極的に私をサポートしようとしてくれましたが、相談をしませんでした。

その結果、分からないことで長時間悩み、結果として間違った理解のまま放置してしまい、勉強で大きなマイナスとなりました。また、相談したいことがあっても人に言えず、ストレスが溜まり精神を少し病みました。

親や同級生、先生などの身近な人でも良いし、予備校や塾、ネットで出会った人でも良いので、受験関連の話を相談できる人を見つけると良いでしょう。

おわりに

ここまで私の自分の経験から、受験の上で重要なことを紹介してきました。では、最後に私からの4つのアドバイスをまとめます。

勉強面で重要だと思うのは、「問題をただ解くだけでなく有効活用すること」「基本の徹底を最後までやめないこと」です。
そして、精神面で重要だと思うのは、「現役で合格する意識を強く持つこと」「人との適度な交流を心がけること」です。

少しでも私と重なる部分があれば、上で書いたような同じ失敗をしないでほしいです。

皆さんにはまだまだ時間があるので、今上手くいっていない人、悩んでいる人も、きっと自分なりの勉強法や心の持ちようを見つけることができます! 

皆さん自身が不合格体験記を書かないために、この不合格体験記が役に立つと幸いです。