【東大教育学部】教育学部って何を学ぶ?先生になるの?【教育心理学】

地方高校生に、追い風を

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はじめに

みなさん、こんにちは。このページを読んでくれている皆さんは、教育学部や心理学にちょっとでも興味があるのではないかと思います。

私は東京大学教育学部教育心理学コースというところに所属しています!そこで、私からは教育学部って何を勉強するところなのか、そして自分が所属している教育心理学コースでは何を勉強しているのか詳しく書いていきます。

教育学や心理学に興味がある人はぜひ読んでみてください。東大の教育学部についてもっと詳しく知りたいと思った人は公式のホームページもみてみてください。

教育学部って何するところ?

教育学部の人は何を勉強しているのでしょう?先生になるために行くところと思っている人も多いと思うのですが、必ずしもそうではありませんし、東大の教育学部では先生になる人の方が少ないです。

では何を勉強しているのかというと、「教育」に関係することを幅広く勉強しています。

...そんなこと言われてもわかったようなわからないような気がすると思うので、具体的にいくつか取り上げてみます。

先生になる、ということから近い範囲だと「どうすれば勉強したことが理解できるようになるのか」ということや、「いじめや不登校などの学校内の問題をどうすれば解決できるか」ということを勉強しています。他には「良い教育とはどのようなものか」、「博物館や図書館などの学校外の学びの場をどう構築するか」、「国の教育政策としてどのようなことをするべきか」などなど、教育に関係することをいろいろな角度から勉強・研究しているのが教育学部です。東大では教育学部の中に5つのコース(基礎教育学、比較教育社会学、教育実践・政策学、教育心理学、身体教育学)があり、自分の興味・関心に近いところから"教育"を考えることができます。

もちろん教育学部に進学すれば、先生になるための授業を受けて、必要な知識や技能を得ることもできます。どんな側面からでも、教育に興味があるということであれば自分のやりたいことを学べるのではないかと思います。

教育心理学って?

ここでは私が所属している教育心理学コースについて詳しくお話しします!

教育心理学はその名の通り教育を「心理学」の角度から見ていく学問です。教育学部で勉強していることの教育心理学一つをとってもすごく広い範囲のことを扱っています。
子どもの成長・発達がどんな風に進んでいくか(発達心理学)、勉強したことがどのように理解されていくか(教授・学習心理学)、学校内で困っている生徒にどんな対処をしてあげるとよいか(臨床心理学)、などなど色々あります。このようなことを調べていくためには何かしらのデータが必要になりますよね。そのためのデータの分析の仕方として統計学も勉強しています。さらに学習の仕組みを深く理解しようと思ったら、人間の脳がどんな構造になっているのかということなども必要になることもあります。コースに所属している学生全員が今あげた全てを勉強しているわけではないのですが、文系・理系どちらの知識も大事になってきます。

授業内容紹介

ここまで教育心理学コースでどんなことを勉強しているのかざっくりとお話ししてきました。でも具体的に何をしているのかイメージが湧かないと思いますので、実際に私が受けた授業でどんなことをやったのか紹介します!

教育心理学コースの必修科目(全員が必ず履修する必要がある授業)に「教育心理学実験演習」というものがあります。この授業では先生から話を聞く講義形式ではなく、学校に行ったり、実験をしたり演習形式で学びます。そのうちいくつか面白かったものを紹介します!

知能検査

テレビなどで「あなたのIQは〜〜」っていうのを見ると思います。そのIQ(知能指数)を測定する実習をしました。

実習で使った知能検査はWAIS-Ⅲと呼ばれるものなのですが、この知能検査を受ける人は、基本的に生活する中で何かうまくいかなくて、知的能力が原因なのではないかと考えられる人です。「IQめっちゃ高い!!すごいだろ〜!」というためにあるわけではありません(そういう人向けのものもありますが...)。

例えば細かいところに集中することが苦手だと知能検査でわかったら、その人のために細かいところを強調して示してあげるなど、手助けできますよね。その人がどのようなことが原因でうまくいってないのか見つけてあげて、生活しやすくしてあげるために主に使われています。

投影法(絵を描く)

投影法は心理検査の一つなのですが、みなさんが思う「心理テスト」にすごく近いものです。

授業でやったものでは、真っ白い紙に1つ木を書いて、その書き方から自分がどんな性格傾向があるか分析していきます。木の幹の太さ、葉っぱの数、根っこの張り方など色々なところをみます。

自分も木を書いて自分で分析したのですが、私は枝が上向きに伸びていて、自信や安定感があるけれども、幹に線が多くて傷つきやすい、という感じでした。当たっているような当たっていないような...…。

質問紙調査(アンケート)

例えば、「A型の人は几帳面」かどうか気になった時に、どうやって調べたらよいでしょうか。A型かどうかは血液を検査すればわかりますよね。同じ血液を検査したら同じ結果が出るはずです。では、几帳面かどうかはどう調べればよいでしょう。几帳面かどうかははっきりと数値や結果として表すことはできません。そこでいくつか「几帳面さ」と関係しそうな質問をして、几帳面さを得点化してみます。

「あなたは、部屋が片付いていないと落ち着かないですか」「あなたは、ものの向きがバラバラだと直しますか」など質問を作ってみて、それで「几帳面さ」を測るのです。しかし、作った質問が本当に几帳面さを測っているのかわかりません。そこで、あらかじめ正しいとされている質問項目や、複数の項目との間の相関関係をみるなどして質問内容をより洗練したものにしていきます。

こうして、作成された質問紙(アンケート)を使うと、A型の人は几帳面かどうか関係を測ることができます。その際統計的な処理が必要となってきます。

この質問紙を作って分析するという流れを授業では実際にやりました。簡単そうに見えることかもしれませんが、学問として十分なほど精度の高い質問紙を作って、分析するのは非常に難しくて、奥深さを感じました。

最後に

ここまで読んでくれてありがとうございます!少しでも教育学部って何してるんだろう?という疑問が解消したり、大学でしていることのイメージがついたりしたら嬉しいです!この記事では私が所属している教育心理学コースのことが中心だったので、他の学科でやっていることが知りたい人は、最初にもあげた通り、公式のホームページから色々みてみてください。他の大学のホームページも見てみると、それぞれの大学の特色が出ていて進路探しの参考になると思います。自分の進みたい進路目指して頑張ってください!!