2019/08/03-05 東北地方合同合宿企画

地方高校生に、追い風を

2019年8月3日(土)~5日(月)に、国立岩手山青少年交流の家にて、岩手県立盛岡第一高等学校、福島県立福島高等学校、福島県立安積高等学校、秋田県立秋田高等学校、秋田県立大館鳳鳴高等学校、山形県立山形東高等学校の生徒様32名を対象に2泊3日の合宿企画を実施いたしました。本企画は東大志望の高校2年生を対象としており、「志望を確固たるものにする」「仲間・ライバルを手に入れる」「合格のための指針を得る」のコンセプトのもと、生徒様には自らの志望校合格について考えていただく場といたしました。

企画初日は、自分や東大についての理解を深めることに主眼を置きました。
企画のはじめとして、自らの強みを3日間一緒に活動する班の仲間と共有し、自分を知るとともに、仲良くなるきっかけとしました。
次に、大学生から東大を志望した経緯について紹介したり、大学生活についてのインタビューを行ったのち、夜には自由懇談形式で大学生と話せる時間を設け、自分の興味・関心をより深めていただくことを狙いました。

これらの活動を通じて、東大について様々な知識や刺激を得ていただき、東大を志望する動機をより確固たるものにしていただけたのではないかと存じます。

2日目は生徒の皆さんに、「入試の実態について知ってもらうこと」、「何が合格に必要か考えてもらうこと」を目標に活動を行いました。

まず、都会の中高一貫校や浪人生の状況についてお話しし、地方生と比べて恵まれた環境で勉強をしているライバルが数多くいることを知ってもらいました。
本当のライバルは「外」にいることを理解して視野を広げてもらい、危機感を持って勉強をするきっかけになればと思います。

次に、学問や勉強法など多岐にわたる話を自分の興味に応じていくつか選択して聞いてもらいました。
大学レベルの詳しい内容や画期的な文章読解の説明などに、真摯に耳を傾けている姿が印象的でした。

続いて、各教科の要素とそれをどう鍛えるか
について解説しました。
要素ごとの勉強の仕方を学んでもらうと同時に、それぞれのパーツの習熟度を見直す機会にしてもらえたと思います。

午後に入ると、FairWindの大学生が、先生方と本音で語り合うトークセッションを行いました。
「レベルの異なる生徒をどう扱うか」、「課題の量や質は適切か」など普段は聞けない疑問を直球でぶつけあいました。
先生の行動のねらいや、生徒への熱い思いが
良く分かったと好評でした。
 受動的に学ぶのではなく、むしろ「主体的に高校を活用していく」という意識が芽生え始めたようでした。

白熱した討論会が終わると、今度は苦手科目
克服法について解説しました。
「東大合格者といえど苦手な教科はあった」ということ、また「苦手教科があっても、適切な方法を取れば克服していける」ということを分かってもらえたのではと思います。

2日目の締めくくりとして、架空の高校生を例にとり、その人が勉強計画を立てるのに必要な情報をなるべく多く集めるという企画を行いました。
通学時間は?、彼氏/彼女はいる?などなど、自分で計画を立てていく上で頭から抜けてしまいがちな情報が、綿密な計画を作り上げているのに役立っているのだということを実感してもらえたのではないかと思います。

2日目の企画全体を通して、東大入試の特徴や向き合い方、合格への道筋をお伝えしました。東大入試に何が必要なのか分からなかった生徒でも、合格までの具体的なイメージが湧いてきたのではないでしょうか。

企画最終日には、プレゼンやワークショップを通じて、東大に合格するには何が必要なのかを考えるきっかけ作りをしました。

はじめのプレゼンでは、今は大都市圏の中高一貫校よりも授業の進度が遅れていて、大きな差があるように見える地方出身者でも、計画的に勉強を進め最後まで諦めなければ志望校合格を実現できること、また、部活動や文化祭等、高校生活を疎かにせず充実したのもにすることも大切であるということをお話ししました。

続いてのワークショップでは、ここまでの企画を通じて学んだことを生かした学習計画づくりを行いました。2日目に学んだ各教科の勉強法や、学習計画を立てるにあたって必要な視点などを組み込みながら、1週間ごとのスケジュールから年間スケジュールまでシステマチックに立ててもらいました。部活や課外活動など忙しい中で、いつ勉強ができるかを真剣に分析する様子が印象深かったです。

その後は、最後の個別相談会を行い、1、2日目に聞ききれなかったことや、企画最中に出てきた疑問などを解消してもらいました。積極的に質問がなされ、参加生徒の熱意が感じられました。

最後に、3日間の企画を通じてどんなことを学んだか、どんな刺激を受けたかを、1日ごとに振り返ってもらいました。振り返り後は、東北合宿が終わってからも自分の学びを忘れないように、明日から自分が行動に移すことを他の班のメンバーに宣言してもらいました。班メンバーに宣言をする事で、決意がさらに固まったと思います。

2泊3日という長時間にわたる企画でしたが、どの参加者も熱心に大学生の話を聞いたり積極的にワークショップに取り組んだりしており、自分の進路について真剣に向き合おうとする姿勢が感じられました。
この東北合宿が、生徒の皆さんの残り1年半の高校生活や受験生活に向けての1つの指針となれば幸いです。